■アリスは大人になっていく
「赤ちゃんのくしゃみやグリフォンの甲高い声といったその他の不思議な音は(お姉さんにはわかっていました)、活気に満ちた農場にあふれるさまざまな音に変わってしまうのです」(『不思議の国のアリス』訳・河合祥一郎)
ワンダーランドに作られたものは、蔵六との生活で紗名が関心を持ったもの。「第一話で食べたいと思っていたコンビニ弁当」「入浴剤がシュワシュワしているお風呂」「毎朝新聞を取りに行った郵便受け」「花を結ぶリボン」などなど。
友達と遊ぶのも、ホットケーキを食べるのも、蔵六や視聴者側にとっては当たり前なことばかり。
蔵六「ここがあの子にとって普通であって、外の世界が奇妙なんだろう」
日常こそが、子どもである紗名にとっての「不思議の国」。毎日が新鮮な発見だ。きっと『不思議の国のアリス』のアリスも、当たり前のものにワクワクしていたのだろう。
「きっとまわりに今の自分のような小さな子どもたちを集めて、たくさん不思議なお話をしてやり、その子たちの目を輝かせて、わくわくさせるのではないでしょうか。ひょっとすると、ずっとむかしに自分が見たこの不思議の国の夢のお話もしてやるかもしれません。」
エンディングで入る「カッコいいお姉さん」のモノローグは、『不思議の国のアリス』の最後で、アリスのお姉さんが語るセリフを改変したものだ。
蔵六は「いただいたものは、お返ししなくちゃならんな」と持論を述べている。
紗名が成長した時、きっとアリスのお姉さんのように、不思議の正体はわかっているだろう。
その上で、今不思議だと感じていることを、子どもたちに伝える側になるはず。
……なんだけど「カッコいいお姉さん」がいる世界自体がどうにも怪しいので、ここは原作での描写待ち。
原作者今井哲也のツイートpic.twitter.com/Fm39pqY4mA— 今井哲也 (@imaitetsuya) 2017年6月25日
『アリスと蔵六』最終回 少女が腹巻きで守られてるのはいい世界。神原作を神アニメ化、とにかく最高でしたのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、田村ゆかり、広瀬ゆうき、内田秀、高橋未奈美、大和田仁美、今井哲也、コミックリュウ、たまごまご、17年4月期アニメ、アリスと蔵六、大塚芳忠、J.C.STAFF、小清水亜美、大塚明夫、豊崎愛生の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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