【劇場アニメレビュー】キャラ配置のアレンジが絶妙!『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章 発進篇』

 しかし『2199』に登場してきた彼は、キャラクター・デザインを変え、ヤマト初代艦長・沖田十三や土方の後輩という立場を明確にさせつつ、どこかペシミズムを匂わせる男へと変貌していた。そして今回は『2』の土方に代わって古代進と対峙するという、実に美味しい立場で漢気を示してくれているのだ。これぞ旧シリーズの反省すべき部分を熟慮した上で成し得た、魅力的再生の好例ともいえよう。

(ただし、そうなると『さらば』でも『2』でもアンドロメダはガトランティスに屈して撃破されてしまうわけだが、ここで山南さんも死んでしまうのか? そうなると『ヤマトよ永遠に』のリメイクはないと考えたほうがいいのか? また新たな疑問が出てきてしまった!)

 一方『2202』の土方はアンドロメダ艦長ではなく、第十一番惑星に左遷させられた身として登場する。その惑星には『さらば』でも『2』でも大活躍だった空間騎兵隊の斎藤始が駐屯しており、そこにガトランティスが攻め入ってくるのだから、これまた実に心憎いアレンジであり、そうなってくると今回は土方が『さらば』同様ヤマト二代目艦長に就任する確率濃厚とみたのだが、残念ながら予想が当たっているかどうか、その結果は次の『第三章』までおあずけとなりそうだ。

 もっとも沖田十三に負けず劣らずの人気キャラである『さらば』の土方さんは、負け戦の無念を知り、それゆえに果敢に戦う術を知る漢でもあったわけだが、今回も既にその雰囲気を漂わせており、今後の展開が実に楽しみになってくるのだ。

『2199』で旧シリーズよりキャラが激増してしまったツケも、今回でかなり良い感じに清算できているように思える。新たに設けられた名パイロット加藤三郎のヤマト復帰に至る妻子とのエピソードも、定石的ではあれ感動的に映えている。

『2202』は監督が『宇宙戦艦ヤマト復活篇 ディレクターズカット』(12年)の羽原信義に、シリーズ構成&脚本を福井晴敏が担っているが、今のところ『2199』よりも人間描写に力が入っており、演出的にも良い意味で職人的に安定しているので、見る側も感情移入しやすい。富野由悠季監督作品の影響をモロに受け、特に最近は『機動戦士ガンダムUC』シリーズ原作者としてのイメージが強い福井晴敏が『2202』に参戦すると聞いたときも、正直ガンダムとヤマトは水と油では? と危惧するところもあったのだが、これまた今のところ違和感のないヤマト・スピリッツを汲んだものになっている。

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