【劇場アニメレビュー】キャラ配置のアレンジが絶妙!『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章 発進篇』

1706_yamato.jpg『ヤマト2202』公式サイトより

 いよいよ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章 発進篇』が全国の映画館にお目見えとなった。今回は宇宙の平安を祈り続ける女神テレサからのメッセージを受け取った古代進らが、地球連邦防衛軍の制止を振り切ってヤマトを再び宇宙へ発進させる前半パートと、第十一番惑星に帝星ガトランティス先遣部隊が来襲する後半パートで構成されている。

 本作のオリジナル版ともいえる映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978年)およびTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』(78~79年)をリアルタイムで見ていた世代にとって、今回の第二章はまさに“発進篇”の名に恥じぬ勢いが示されており、特に海中からヤマトが発進していくさまは、当時の盛り上がりを蘇らせるに足る優れものとなっており、作画スタッフのヤマト愛を大いに感じさせてくれる。

 思えば前作『宇宙戦艦ヤマト2199』も、昭和の『宇宙戦艦ヤマト』で育った世代のこだわりを感じさせるものではあったが、一方ではSF的設定のつじつま合わせなどに腐心しすぎて、オリジナルに内包されていたロマンティシズムが薄れてしまった感もなくはなかった。

 その意味では『2202』も前作『第一章』はその影響を大いに受け、破壊兵器として波動砲の存在意義はもとより、地球とガミラスの共闘がなされていたり、ガトランティスがいきなり攻め込んでくるなど、オリジナルとは異なる設定が次々と展開されていくあたりは面食らうところもあったのだが(何よりも冒頭いきなり、ガトランティス大帝ズォーダーが“愛”を唱える!)、『第二章』は比較的オリジナルの良いとこ取りといったスタンスで進められていくので、リアル世代としてはかなり安心して見ていられるのも確かだ。

 時に今回はヤマトVSアンドロメダという、かつて『宇宙戦艦ヤマト2』の出だしの見せ場でもあった名シーンが見事にアレンジされているあたり、大いに注目したい。
 かつて『さらば』ではヤマト二代目艦長として見事な采配を振ってくれていた土方竜を『2』ではアンドロメダ艦長へと設定を変更したことで、『さらば』ファンとしては怒り心頭ではあったのだが、それゆえに盛り上がった数少ないシーンのひとつが、このヤマトVSアンドロメダなのであった。

 そして今回、アンドロメダ艦長に就任しているのは、何と山南修なのだ!
 山南修は映画『ヤマトよ永遠に』(80年)でヤマト艦長を務めた猛者ではあるが、劇中さほどの存在感はなく、最後に戦死する際に「部品の一つが壊れただけだ」と漏らすのだが、本来名セリフになるべきところが、それまでの描写不足でどこか空々しくなってしまったキャラクターでもあった。

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