投じた予算は3900万円超 下津井~『ひるね姫』の旅路で見た「聖地巡礼の魅力は作品よりも人」という事実

■変わらぬ美観地区の偏重 観光地が分断される倉敷市

 ここは幾度も訪れたい町。そんな想いは、残念ながら、帰り道で途切れてしまった。児島駅前まで戻り、倉敷駅前行きのバスに揺られること30分あまり。バスを降りると、幾度も見慣れた倉敷駅前の風景があった。この倉敷の中心部は、白壁の倉が並ぶ倉敷美観地区で全国から観光客を集める土地である。

 そんな土地の駅前にある倉敷市の観光案内所では、同じ倉敷市である下津井の魅力はどのように紹介されているのだろうか、と。

 単なる観光客のフリをして「下津井にも興味があり、行ってみようと思うのだけど」と、あれこれ尋ねてみた。応対してくれた、窓口の女性たちは、どこか面倒くさそうだった。

「みんな岡山から電車で行っちゃうんですよね」

 そんな言葉を聞いて、以前もここで同じような言葉を聞いたのも思いだした。もう何年も前になるが、倉敷で所用を終えたあと時間も空いたのでどこかに寄っていこうと思ったことがある。

 このあたりで、私が行ったことがなかったのが玉島である。ここも、現在は倉敷市の一部になっている古くからの町。一時は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)のロケ地としても、話題になった土地だ。最寄り駅は、各駅停車ですぐの新倉敷駅ということはわかっていた。

 けれども、ほかにバスなどのルートはないものか、聞いてみようと観光案内所に入った。応対した窓口の女性はぶっきらぼうに、新倉敷駅からバスしかないと告げた。ならば仕方がないと思い、電車に乗りがてら予習しようと玉島の観光案内のようなものはないかと尋ねた。すると、こんな言葉が返ってきた。

「ほとんど、美観地区のしかないんですよね」

 そんな返事を返された数年前の記憶が戻ってきた。

IMGP3229.jpg神社仏閣は一段高いところに。階段を踏みしめるだけで御利益を感じられるはずだ
IMGP3254.jpg児島八十八カ所は四国の十分の一くらいの規模。歩いても一週間程度で周ることができる
IMGP3257.jpg江戸時代風味だけでなく昭和レトロな街並みもいっぱい。街自体が博物館のように感じられる
IMGP3271.jpg階段を昇った先にあるスタンプラリーのスポット。誰もいないことで達成感が募っていく

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