現実的な悪どさや人間くささが魅力を放つ── 原点は『ズッコケ三人組』、映画化も話題の『サムライせんせい』黒江S介氏インタビュー

■筆圧の強さが産んだ驚きの作画技法

──普段はデジタルで描いていますか?

黒江 ペン入れまでは手描きです。トーン貼りはデジタル。

──手描きへのこだわりがあるのですか。

黒江 あの、私の線はすべてシャーペンで描いているんです。

稲石 ペン入れしていないんですよ!

黒江 ペン入れがシャーペンなんです。フツーの鉛筆で下描きをして、トレス台の上で濃いシャーペンでペン入れをしているんです。これはマンガ家としてかなり禁じ手というか。消せるので描き直しができるという……。

──その技法はなぜ、思いついたのですか?

黒江 最初、鉛筆の線に憧れを持っていて。こういった淡い感じで味のある絵を描く人がいて、憧れるなと思って真似をしてみたんですけど、すごく筆圧が強くて淡い線にならなかったんですよね。ホントにガチガチのペン入れをした線になってしまうので、これはダメだなあと。ならば、逆にこれをペン入れで使えるんじゃないかなと思いました。

 筆圧が強いんで、フツーに付けペンとかつかったらすぐに壊れてしまうんですよね。それで最終的に、これに落ち着きました。

──タブレットはいかがですか?

黒江 タブレットのペン先はすぐに摩耗してしまいますね。ちょっと、少女マンガというか繊細な線とは無縁な感じです。

──ちなみに、ペンネームの由来は?

黒江 これは適当です。自分の名前の一字は入れようと思って、江戸の江がつくので、それは入れました。それから最初はS介はなかったけど、名字と名前らしきものがあったほうが親しみやすいかなと思ったら、こうなりました。

──まだ『サムライせんせい』は続いていくと思うのですが、ほかにはどのような作品を描こうと考えていらっしゃいますか?

黒江 一から自分でつくるよりも、元ネタがあるものを自分流に解釈する作業が好きなので、民間伝承であるとか妖怪であるとか、元ネタがあるものを題材にしていければよいと思っています。

 * * *

 現在、高知県立歴史民俗資料館にて行われている「志士 幕末を駆ける──半平太らの遺したもの──」展ともコラボをしたり、高知県では、地域の人々に愛される作品となりつつある『サムライせんせい』。作品の魅力もさることながら、作品を使った町おこしという視点からも、とても興味深い。

 維新150周年という年ともリンクして、どのように盛り上がっていくのか。この先も注目していきたい。
(取材・文=昼間たかし)

■映画「サムライせんせい」公式サイト
http://samuraisensei.com/

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