「いい意味で個人主義でいられる」エッセイマンガ『ヲタ夫婦』作者・藍さんが語る、ドルヲタ男女の結婚、ヲタ活とは?

 アイドルヲタクとて人の子。普通の恋もすれば結婚もしたい。
 だが、男にせよ女にせよ、相手にヲタク心を理解してもらうのはなかなかに難しい。

 そんな時に誰もが考えること――「ヲタク同士で結婚すれば幸せになれるんじゃない?」

 そんな理想的な思いを実現させた人がいる。
 藍さん、マンガ家でアイドルヲタクの女性だ。2015年にTVアニメ化もされた、アイドル群像マンガ『ミリオンドール』(アース・スターエンターテイメント)の作者である。

 彼女は、同じくアイドルヲタクの男性「ヲタ夫」と出会い、結婚した。
 しかし、結婚までには様々な出来事や思いがあり、結婚後も思いもしなかった困難が立ちはだかる。

 二人の出会いは? そして、どんな思いを抱いて結婚した?
 そんな姿を赤裸々に描いたエッセイマンガ『ヲタ夫婦アイドル ヲタクな2人はこうして結婚できました。』(出版ワークス)発売を記念して、藍さんにインタビューを行った。

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――今回発売された『ヲタ夫婦』を描くことになったきっかけを教えてください。

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 元々Twitterで落書きのようなものを描いていたのですが、それをcakes(ネットでの作品掲載サイト)さんが「これは面白いよ」って言ってくださって、そこで描くようになったのが最初です。

――書籍化の話はどのように決まったのでしょう?

 昨年の年末ぐらいに、「書籍化を募集します」と宣伝していたら、「MOBSPROOF」さんが声をかけてくださいました。その時の口説き文句がすごくて。「BiSを作った渡辺淳之介さんの自伝を作ったので、今度はBiSで人生が狂わされた男の本を作りたいんです」と言われ、それで決めました。

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――それは素晴らしい。その時はどんなお気持ちでしたか?

 書籍化自体は嬉しかったですし、ちゃんとアイドルのこと、ヲタクのことをわかっている人に作ってもらえるという安心感がありました。反面、「気を引き締めて作りたいな」という気持ちもありました。本になって届くということは大事なことですし、ヲタクがCDを買うように、お金をかけて買ってもらうわけですしね。

――ご主人や周囲の方々の反応はいかがだったでしょう?

 旦那は「有名になっちゃうかも」ってそわそわしていて(笑)、「本が売れるならなんでもするよ」って言ってくれました。私はエッセイが初挑戦だったので、どういう人が読んでくれるかわからなくて不安でしたね。でも、結構女性の方なども喜んでくれたし、アイドルの中にも「読みやすい」って言ってくれる人がいたりして、そういう反応が新鮮でした。やはり、書籍化で話が広がったのはありがたかったです。

――本になると、Webよりも読みやすくなりますよね。

 そうですね。今回は連続性を持たせるために、描き下ろした部分も多かったです。cakesとはまた違った感じで楽しんでいただけると思います。

――恋愛や結婚と、ヲタク活動を両立するコツなどはありますか?

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 今現在、悩んでるところでもあるんですけど(笑)。問題の切り分けをうまくやることでしょうか。

 男性と女性でも違うと思うんですが、私は、恋愛と仕事とヲタ活は違う自分でいたいんですよ。自分の顔を分けたくて。でも、旦那は全然そういうのがない。裏表がないというか、テンションが同じまま仕事もヲタ活もできるんですね。その差をすごく感じてしまいます。

 例えば、付き合いたての時って盛り上がってるから、「恋愛だけに生きていたい」みたいになるんですけど、夫はそうでもなくて。ヲタ活が楽しい時だったみたいで、時間を守ってくれないのはしょっちゅうで、「後回しにされてるな」って思うことがありました。一緒に暮らし始めて、自分の腹が立つポイントとか、切り替えが不得意な分野とかがわかるようになってきたんです。

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 一番は、「唯一自分を異性として見てくれている相手が、異性として大事にしてくれないところ」であって、別にアイドルと楽しそうにしているのが嫌なわけじゃないんだってことに気づいたこと。それから問題の切り分けがうまくなりましたね。ハグチェキとかが出てきても、チェキが楽しいのはわかるし、それをやめて欲しくはない、趣味を奪いたくはないんですよ。だからといって、見なかったことにしても自分が溜め込んでしまうんですね。結局は「うまく隠してくれ」って方向になりました。

――夫婦間でルールを決めることが大事なんですね。

 そうですね。守ってはもらえないですけどね(笑)。うちでは「模範的な夫」を想定して、それに近づいていこうとしています。そのためにルールがあるみたいな。そのイメージを共有して分かってもらえるようになりました。

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