神回『アリスと蔵六』11話 ワンダーランドで少女は決意する。碇シンジも蔵六と出会っていたら幸せだった

 紗名の自我が、蔵六たちとの生活を経て、大きく育っている。
 自分と他人の境目すらぼんやりしていた、序盤の紗名。蔵六に「樫村紗名」と名前を与えられて養子になったことで、一個人となった。顔を洗う、着替える、花に水をやるなど、様々な経験を重ね、自信をつけていった。
 今は自分の気持ちが、本物かウソかは考えないようにしている。「私には(その感情が)いる」という判断の軸を作った。

 記憶のオブジェたち。あさひとよながとのお泊まり会、もらったぬいぐるみのブタ、助けにきてくれた蔵六、宇宙を飛んで蔵六にキスをした瞬間。
 ワンダーランドに刻まれたのは、紗名の「うれしい」「楽しい」「好き」なものだけだ。

■羽鳥、自分で自分を必要とする

 幼少期の羽鳥にとって、母親は世界の全てだった。小学校受験に失敗し母親から愛されなくなったと感じた彼女。存在価値を見失い、自分は必要じゃないと考えるようになって、今4年め。
 きつい。そりゃ消えたくもなる。目を合わせないとか、ネグレクトだと思うのだけど実際どうなんだろう?

 一方で痛みを経験済みの紗名。
「いた方がいいやつとか、いない方がいいやつとか、そういうのは多分ないんだ」
 蔵六や早苗から学んだことを、今度は紗名が羽鳥に伝えている。

「私もう一度ママに会いたい。手伝ってくれる?」

 母親が私をどう思うか、というのを羽鳥はやっと切り分けられた。
 自分は、母親が好きだ、会いたい。見捨てられた恐怖ではなく、自らの感情と意思で決断したセリフだ。

原作者・今井哲也のツイッターから

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