ファンタジー作品を楽しもう! 『セントールの悩み』から学ぶデミヒューマン講座

 ナーガの属性は逸話によって異なり、神聖な存在とも邪悪な存在ともされています。邪悪なナーガは地獄の門番であり、地下に広がる暗黒の世界を守る守護者でもあります。一方で神聖な存在としてのナーガは、例えば神々の危機に対し体を張って救った逸話などに登場する「シェシャ」のように、神に準ずる存在として信仰の対象にもなっています。

 このような二面性を持つに至った理由としては、まずナーガの原型である蛇「コブラ」の持つ猛毒が挙げられるでしょう。また、脱皮して成長するという特性から「皮を脱いで新しく生まれ変わる」、この点から世界的に「不死の象徴」とされていることなどが理由だと考えられています。

1706_sen_tori.jpg<ケツァール。羽根はアステカ帝国において、ケルァルコアトルへの熱烈な信仰もあり、高貴な身分の者以外が身に付けると罰せられるほどであった>

 また、名前に入っている「ケツァルコアトル」は、南米にかつて存在した「アステカ帝国」で最も広く信仰を集めていた神様の名前です。これは作品内の設定において「南極人は爬虫類のような見た目だが、鳥類に近い」とされており、ケツァルコアトルの名前が「ケツァール」という美しい鳥に由来するもので、かつケツァルコアトルという名前自体に「羽毛ある蛇」という意味があることから付けられたもの、と考えられます。

 ケツァルコアトルに関しての詳細は、過去記事「あのドラゴンたちの元ネタは……!? 知って差が出る『小林さんちのメイドラゴン』から学ぶファンタジー知識(後編)」も参考にして下さい。

――ここで解説したのは『セントールの悩み』に登場するキャラクターの一部のみであり、原作にはまだアニメ公式ページで紹介されていない、魅力的なデミヒューマンたちも数多く登場しています。ファンタジー好きの方や、いわゆる人外好きの方はもちろん、少し後ろ暗いディストピア的世界観の考察など、多方面からの楽しみ方が込められた内容となっております。

 できるならばマンガ原作と併せて、ぜひアニメ第一話からご鑑賞頂ければと思います。それに際して、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

■文・たけしな竜美
 オタク系サブカルチャー、心霊、廃墟、都市伝説、オカルト、神話伝承・史実、スマホアプリなど、雑多なジャンルで記事執筆、映像出演、漫画原作をしています。お仕事募集中です!
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