『笑ゥせぇるすまんNEW』第11夜 マインドクラッシュ津田健次郎に『遊☆戯☆王』を連想してしまう 井上母子の共演も!!

■落入と海馬、津田の演じたエリートの断末魔

 原作よりも会社のシーンが多く、上司から出世の話をチラつかされる。順風満帆ぶりをうらやましがる同僚のひそひそ話も増え、その優秀さがより強調されていた。

「ぶちょお、このあいだのけぇん、うまくいきそうです」。

 一つ一つの言葉を微妙に伸ばし、ネットリとしたしゃべり方で影のある落入。演じたのは、津田健次郎である。『テニスの王子さま』の乾貞治、『宇宙兄弟』のビンセント・ボールド、『金田一少年の事件簿R』の祭沢一心など、落入同様、仕事のできる優秀なキャラを数多く演じてきた。

 喪黒さんにスナックタマエの二度目の入店を懇願するセリフも追加されていた。

「喪黒さん、ぼくは……、あの時の緊張感! 心臓が跳ねるような音!! すべてを失いそうな感覚がどうしても忘れられないんです……!!!」

「いいでしょう、こうなったら徹底的に落ちるところまで落ちてもらいましょう!」
「ドーン!」

 この末路を見て思い出すのは『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人。津田が演じたこのキャラは、主人公・武藤遊戯のライバルである。
 高校生にして、海馬コーポレーション代表取締役の海馬。相手の精神を崩壊させる「千年アイテム」を持つペガサス、遊戯などの危険キャラとデュエルを繰り広げてきた。

 対遊戯戦初戦では「ハウワアアアアアア!!!!」って断末魔をあげて敗北。

「海馬! お前の心の悪を砕く! マインドクラッシュ!」

 遊戯のおじいちゃんを痛めつけてレアカードを強奪した海馬は、マインドクラッシュされ、瞳の色を失い、その場に倒れ込んだ。

「海馬ボーイ、ゲームに負けたものの末路、それは分かってますね? 敗者は全てを失う、大切なものも、そして自分さえも! ユーも木馬ボーイ(海馬の弟)と同じ運命をたどるがいい。マインドカード!!」

 ペガサス戦でも敗北した海馬。マインドカードによって、カードの中に心を閉じ込められ、残った体は黒服の男によってどこかに運ばれていった。

 遊戯もペガサスも、相手の精神を崩壊させる前に、ちょっとした説教をかますところが喪黒さんに似ている。
 喪黒さんに「ドーン!」されたときの断末魔「うぐわぁぁぁぁぁ!!!!」も、遊戯戦で見せた断末魔同様、エリートゆえのココロの脆さが見えた。

(文/山川悠

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