──伏見つかさ(原作)とかんざきひろ(イラスト)のインタビューを担当しました(アキバBlog)。笑ったのが、YouTubeで外国人が「ero」で単語検索してくるけど、エロくないのですぐ離れて滞在時間が短いという事実。原作の時はエロマンガの話だと間違われて、今度はワールドワイドに誤解され続けています。
かーずSPによる『エロマンガ先生』(TOKYO MXほか)の全話レビュー。今週はムラマサ先輩のメイン回。王様ゲームから断筆宣言まで、中身の濃い回になっています。 *ここまでのレビュー
■#10 「和泉マサムネと年下の先輩」恋するオトメ炸裂
和泉正宗(いずみ まさむね/演:松岡禎丞)たちの執筆合宿二日目。朝がけに山田エルフ(やまだ エルフ/演:高橋未奈美)が正宗の貞操を狙っていると(なんちゅー出だしだ)、割烹着姿の千寿ムラマサ(せんじゅ ムラマサ/演:大西沙織)がオタマで妨害。
「う、うん……もうすぐできるから。食堂に来て」
いつもの凛々しいムラマサから一転して、家庭的でシャイなムラマサ先輩がすごく新鮮です。奥ゆかしさと秀麗さを兼ね備えた和風の美少女。「天下一ラノベ武闘会」で恐怖を振りまいたあの人に、こんな一面があったのかと心がときめきます。エルフも負けてません。「エミリー」って本名で呼ばれると、振り返って
「は、はい」
瞳をうるうるさせながら、エルフが切なげな表情で見返してきます。初々しいエルフも可愛さマックスファイヤー! ムラマサの和とエルフの洋。なるほど、これが「和洋折衷」なのかと魂レベルで納得しました。
テーブルを囲んで一同が仕事中。ムラマサ先輩の意中の人が正宗だとバラされた時。顔を覆って恥ずかしがるムラマサ先輩が、
「私は正宗君が大好きだ! 我が恋心に恥ずべきことなど一片もなし!」
開き直ってラオウみたいに勇ましい。どちらも素敵すぎる恋のアプローチ! ここまでされて、なぜ惚れないんだ正宗ぇ!(答え:紗霧)
でも部屋で一人、エアマサムネと会話してることを指摘されて慌てふためくムラマサ先輩。片想いの相手を夢想する女子。これだけ聞くと胸キュンのはずなのに、ムラマサ先輩だと狂気を感じてしまうのはなぜなのか問題。ここで、今回カットされたムラマサ先輩の右手の包帯について触れておきます。
「私はいつも、小説を書くとき、自分で締め切りを決めているのだ」
「締め切りを破るたびに、爪を剥いでいた」(原作3巻)
一同ドン引き。「天下一ラノベ武闘会」の時、説得に応じて正宗がムラマサ先輩の専属作家になっていたら……スティーブン・キングの『ミザリー』を彷彿とさせるifストーリーになりそう。
■エロマンガ先生のセクハラ神話がまた一ページ
Bパートは王様ゲーム。ノートPCのSkypeでエロマンガ先生=和泉紗霧(いずみ さぎり/演:藤田茜)も参加することになりました。紗霧が王様に決まったことで、題して「エロマンガ大王」。どこかで見たことあるロゴに大笑い。パロディネタもこのアニメは上手に料理します。
「ムラマサちゃん、どんなパンツ穿いてるの?」
エルフ、神野めぐみに続いてムラマサ先輩もエロマンガ先生のセクハラ洗礼を受けました。いや〜エロマンガ先生モードの紗霧、容赦ないっすね! 異様に恥ずかしがるムラマサ先輩。
「ムラマサちゃんもしかして……ノーパンなの?」
PCから鳴り響く、エロマンガ先生の機械音声。ムラマサ先輩のお尻のアップが映ります。着物のシワが色々と妄想をかきたててしまう、今週のベストフェチカットです。
「き、着物だから〜っ!」
正宗をガクガク揺らすお茶目な2,200万部作家。普段の凛々しさ、小説に向かう時の真剣さとのギャップ。すこぶる萌えますねっ!
■引退宣言、宮崎駿より早い撤回だよ
正宗がムラマサのために執筆した、前作『転生の銀狼』の後日談小説。それに満足したムラマサ先輩は、もう小説を書かないことを宣言します。反対するのは獅童国光(しどう くにみつ/演:島崎信長)だけ。他のみんなは、割りと平然なリアクションです。夕暮れ時、正宗はムラマサ先輩に分厚いファンレターを見せます。
「このファンレターを送ってくれたのは、先輩だろ?」
「夢なんて、いくつあってもいいに決まってるだろ。だからさ、夢が一つ叶ったくらいで書くのをやめちゃうなんて、もったいないと思わない?」
優しい説得の末、断筆宣言を取り消します。その日のうちに引退宣言やっぱやめって、宮崎駿監督より早いよ!
ただしこのシーン、話が複雑になるのを防ぐためか、重要な事実が伏せられています。なぜ正宗がムラマサのために『転生の銀狼』の後日談を書いていたのか。ムラマサ先輩への感謝だけでなく、「自分にとって100点中100万点の『世界で一番面白い小説』を、自分で書けるのか」の実験だったのです。
「完全に趣味全開、俺とそっくりの感性を持つ、たったひとりのためだけに、好き勝手に書けば───できるかなぁって思ったけど。甘かった」
「俺にとって『世界で一番面白い小説』じゃなかったけど、それでも、俺はね、100万点くらいうれしかったんだよ」
「あなたが、喜んでくれたから」(原作3巻)
自分の小説を他人が面白いって言ってくれることが、正宗にとっては最上の喜び。エルフは小説書きをゲームだと語り、ムラマサは自分自身のために書いています。物書きに対するそれぞれのスタンスが浮き彫りになっているのが面白い構図。
それでラストのムラマサの新しい夢って、たぶん「正宗のお嫁さん」だと思うんだけどどうでしょうか。ますます激しくなる正宗争奪戦。次週、ふたたび紗霧編。
(文/かーずSP)
『エロマンガ先生』10話 ムラマサ先輩ノーパンって本当ですか? 南の島で紗霧もいっしょに王様ゲームのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、A-1 Pictures、KADOKAWA、アニプレックス、電撃文庫、松岡禎丞、エロマンガ先生、17年4月期アニメ、かんざきひろ、伏見つかさ、竹下良平、織田広之、藤田茜、かーずSP、高橋龍也、大西沙織、高橋未奈美、山下誠一郎、島信長の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載