『冴えない彼女の育てかた♭』8話 加藤恵のメインヒロイン力が凄まじい。そしてタイトルの伏線回収に成功

「……………何言ってるの、安芸くん」

 恵の死んだ魚のような目。瞳のハイライトが消えて、ヤンデレみたいになってますよ。小説(7巻)でここを読んでいる時は、倫也が恥をかきそうで、共感性羞恥で悶えたんです。けどアニメの場合、恵の顔芸が面白すぎて大笑いしてしまいました。同じシーンでも感じ方が変わるというのは、原作付きアニメを追いかけている時の醍醐味ですね。

「もしかして恵は倫也のことを好きなのでは?」そう疑った時期もありました。けど完全に、恋ではなく友情であることが判明。ちょっと残念ですけど、英梨々と詩羽先輩に続いてとなると、往年の昼ドラも真っ青のドロドロになりそう。だから今はこの関係が心地よいです。

『冴えない彼女の育てかた♭』8話 加藤恵のメインヒロイン力が凄まじい。そしてタイトルの伏線回収に成功の画像2原作7巻

■恵の泣き顔も、怒った顔も

 勘違いをギャグっぽく流して、いい雰囲気を作った倫也。ようやく、去年末に恵をないがしろにしたことを謝罪できました。ここまでくるのが本当に長かったです。

「何を、何を、何を言ってるのか、なあ」

 口元を手で押さえて、上を見上げて、涙をこらえる恵。溢れる涙と感情が抑えきれずに後ろを向く恵。水滴が舞い、むせび泣き続ける恵。こんなに感情豊かに泣けるんだ、この子は……。ずっと英梨々と詩羽先輩に目が行きがちで、恵のことをわかっていなかった自分を叱りたい気分。もうここが最終回でいいんじゃないでしょうか……いや嘘、もっと見たいです。

「なに笑ってるのかなあ。それ、余計に怒れてきちゃうんだけどなあ!」

 背伸びしながら、顔をぐいっと近づける恵。怒りをぶつけている恵の顔もかなり可愛い。さっきから怯えた顔が良いとか、怒った顔が良いとか不謹慎な発言多いですね。でも、恵がここまで喜怒哀楽を見せてくれたことが嬉しいんです。
 ふだん表情に出ないからといっても、感じる気持ちがないわけじゃありません。むしろ積もり積もった想いの深さは強いです。『神のみぞ知るセカイ』の汐宮栞もそうでした。図書委員で、物静か。でも話したい言葉がたくさんあって、上手く口に出せなかった女の子。今回の恵も、溢れ出た情動が喜怒哀楽どれも愛おしく感じます。

■タイトルが劇中に出てくるのってたぎるよね

 Bパートは、デパートで買い出しする倫也と恵。替えの下着も購入して、泊まるの前提ですか。そうですか。こんな同棲シチュ、倫也じゃなくても誤解すること必至だと思うんですが。そして次回作のタイトルが、

『冴えない彼女の育てかた』

 ですよ!  
 こういう劇中にタイトルが出てくる粋な演出、大好物です!

『シュタインズ・ゲート』しかり、映画『ダークナイト』しかり、最高潮に盛り上がって心のなかでガッツポーズ案件です。語呂が似ていて『冴えカノ』の題名の元ネタでは? と勘ぐってしまうSF小説『たったひとつの冴えたやりかた』も、同様の仕掛けがありました。去年放送していたアニメ『響け!ユーフォニアム2』では、田中あすか先輩が父から受け継いだ曲のタイトルが途中で判明します。それで終わりかと思いきや、ラストシーンで曲の書かれたノートを後輩の黄前久美子に託すというダブル伏線。まんまと号泣させられました。

 でも加藤恵さん、このタイトルにブーたれてます。激おこです。

「今までさんざん『キャラが死んでいるとか言われてたけど、まさかタイトルにまでされるとは思わなかったよ!」

 湯船に浸かってる最中も、電話でくどくどくどくど。まだ引きずってます。詩羽先輩とは違う方向で、めんどくさい系女子だった恵。たとえ負の感情でも、ヒロインの新たな一面を見られるのがうれしいです。これこそギャルゲーっぽい。『冴えカノ』という物語そのものがギャルゲーフォーマットで作られている、メタ構造ならではの楽しみ方です。

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