【モノブライト出口博之の特撮自由帳(10)】

新作ウルトラマン『ウルトラマンジード』放送直前! 特撮における“親子関係”とは

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 ここで注目すべきポイントは、実際の血縁関係を持たないウルトラ兄弟というつながりです。これは一体どういうものなのか。
 すべての始まりであるウルトラマン(以下、初代マン)では、ゼットンに倒されてしまった初代マンのもとにゾフィーが駆けつけますが、この時のゾフィーは「初代マンと同じ星から来た宇宙人」であり、それ以上でもそれ以下でもない存在。『ウルトラセブン』では初代マンと同シリーズでのつながりはあれど、セブンの世界に初代マンが登場することはありません。

 時代は70年代に入り、『帰ってきたウルトラマン』(以下、帰マン)(71~72年)で初代マン、セブンの客演があり、ここで彼らのつながりを「兄弟」という言葉で表現し始めます。兄弟という世界観は帰ってきたウルトラマンから始まり、エース以降では完全に兄弟の序列関係が定着していきます。

 で、ウルトラの父です。前述の通り、ウルトラ兄弟のピンチに駆けつけたウルトラの父。
しかし待てよ、父って、誰の父だ?
 宇宙警備隊という大きな組織を考えると、大隊長の呼び名は「キャプテン」などが妥当だと思うのですが、まあナナメに見ると「ウルトラ」で「キャプテン」は使えないよな、と思い至ります。

 兄弟という関係性を持つ者たちをまとめる大きな存在、そうなればもう父しかいません。その道で多大な功績や発展を収めた人物を敬意を持って「○○の父」と呼ぶように、「ウルトラの父」も兄弟からの最大級の尊敬が表れた呼び方であり、その関係性は実の親子と同じと言っても過言ではありません。

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