『サクラクエスト』9話 田舎の人間関係の間合いを実感しつつ、水着で流されそうめん女子

――都会での仕事に憧れる20歳女子。就活全滅、限界集落寸前の田舎のよくわかんない独立王国の王様に就任させられて、町ぐるみの一大そうめんイベントを企画中。凛々子ちゃんの胸はあまり大きくならないでほしいと祈っているたまごまご『サクラクエスト』(TOKYO MXほか)全話レビューお届けします。*ここまでのレビュー

『サクラクエスト』9話 田舎の人間関係の間合いを実感しつつ、水着で流されそうめん女子の画像1『サクラクエスト』公式サイトより。由乃の流されそうめんは一体なんだったのか

第9話『淑女の天秤』こんなに人集まったの初では

 C級グルメのイベントを開こうとしたところ、商店会の納涼会とブッキング、怒りを買ってしまった木春由乃(演:七瀬彩夏)たち観光協会。ベストな案を出すべく、勇気を出して名乗りをあげたのは、引っ込み思案な地元育ち・四ノ宮しおり(演:上田麗奈)だった。
 郷土の特産を生かしたいと考えたしおりは、イベント内容を参加型の「大そうめん博」に変更。誰でも創作そうめんを出品できるだけでなく、物産展ブースも設け、観光協会と商店会両方、町の人も観光客も、みんなが得をする仕組みを発案した。

 これには観光協会の門田丑松(演:斧アツシ)も、商店会会長の織部千登勢(演:伊沢磨紀)も納得。
 イベント当日、会場にはたくさんの人が来場し、大成功。
 観光協会の「よろこぶそうめん」は地元の人にとても褒められ、しおりは笑顔になるのだった。

■田舎住まいは間合いが大事

丑松「地元独特の間合いがあるからな。よそもんはよそもんらしく突き進めばいい」
 この発言を具体的に表現した回だ。

 田舎は密着しすぎた人間関係がめんどくさい、というのを前回描いていた。でもそれは、連携した時の力がすごい、ということでもある。
 地域によって間合いのとり方は違う。外から来た由乃がわからないのは、当然だ。

「間合い」というのは、おもねることではない。町の人の思いを尊重し、自分たちの新しい意思をはっきり言い、時にみなに相談して協力をあおぐこと、いうのがこの作品の考え方のようだ。

 千登勢は、イベントでしおりの考えた「よろこぶそうめん」を食べた時、「大分わかってきたじゃないか」とつぶやいている。
 彼女は「間野山を大切にしない」もの(チュパカブラとか)には断固反対するが、「文化を大切にしながら新しい風を入れよう」とする動きには反対していない。むしろ凛々子(演:田中ちえ美)の観光協会参加も、新規イベントへの自分たちの参加も、かなり前向きだ。

 さなざなな団体を、全部まわって企画参加の相談をする……というのはめちゃくちゃ大変。由乃がそれを間野山でやってのけたはすごい。勢いのある彼女だからできる仕事だ。
 一方しおりは地元のものを活かすことを優先し計画を練った。人の間を取り持てる彼女ならではだ。
 役割分担が明確化したことで、保守と革新のバランスをうまく取る、スタートラインが見えてきた。

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