【今月の不健全図書レビュー】池玲文『媚の凶刃~X side~』ちゃんと修整しているのに作品力が激烈。東京都もビビったことを誇るべき。

【今月の不健全図書レビュー】池玲文『媚の凶刃~X side~』ちゃんと修整しているのに作品力が激烈。東京都もビビったことを誇るべき。の画像1『媚の凶刃 ~X side´~』(リブレ)

――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の指定図書】

 BLジャンルから指定されたのは、池玲文氏の人気作『媚の凶刃 ~X side´~』(リブレ)です。今回初めて読んだのですが、これがシリーズ4冊目となる、極道を舞台とした熱い作品であります。

 作者の池氏。絵も丁寧ですが、読者へのケアも丁寧。というのは、ネット配信が行われている先のサイト一覧を、自身のブログでもちゃんと記載してくれているのです。一人でも多くの読者に読んで貰いたいという意志が感動的です。

 そんな作品が、なぜ指定をされてしまったのか。それは、分析をする間でもなくわかってしまいました。

 この作品、配信先すべてで18禁になっているのです。

 配信サイト一覧からリンクをクリックすると「18禁ですよ」の表示は、きちんとでるのです。つまり作り手側の表現は18禁レベルということ。

 ただ、それゆえに指定候補となったとは考えづらいのです。というのも、東京都青少年課には幾度も「電子配信のサイトをチェックしているのではないですか?」と聞いているのですが、常に答えはノー。これを額面通りに受け取るか否かは迷うところです。ただ、昨年来、様々な局面で毎月の指定というルーティンワークには手を抜いている感のある青少年課。わざわざネットをチェックして、紙の発売情報を把握しているとは考えづらいのです。

 ともあれ、自主規制団体の皆さんには、この作品がどう見えたのかを分析していきましょう。

(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

 この作品、自主規制団体の意見は割れています。

 指定該当7に対して保留1、指定非該当は6あります。決して多数決ではありませんが、惜しいといったところ。

 指定該当意見が、問題とするところは、ほぼ絞られます。それは、性器の描写です。
【性器は修整されているが、描写にリアリティがあり、卑わいな感じもある】【性器が白抜きされているが、性器の形状はそのまま】【白抜きされているものの、性器の形が分かり、大きく描いている箇所もある】と、やたらと性器=男性のオチンポに拘った意見が見受けられます。

 読めば一目瞭然なのですが、性器や結合シーンは相当気を遣って修整をしています。以前、指定されたリブレの出版物にあった挿入シーンの修整の甘さや、過剰な体液も見られません。

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