井口昇監督の紙芝居アニメ『世界の闇図鑑』(テレビ東京ほか)、第7話は想像の斜め上を行くビックリ展開であった。その中身は……
じ、実写です! 写真のスライドショーです!
こう来るかー、と大いに驚いたわけだが、お話はお話で直球の恐ろしいホラーである。早速その内容を紹介しよう。
これは2人暮らしのある姉妹の物語。
昨夜、姉妹はある外国の本で、恐ろしい言い伝えを知った。曇りの日に家にいると異世界から道化師が現れ、人を連れ去ってしまうらしい。その日は朝から曇りだった。
トン、トン、トン……
台所では妹が野菜を刻んでいる。髪を梳いていた姉は何気なく鏡を覗き込んだ。
鏡の中に道化師が写りこんでいた!
「ヒーヒヒヒヒヒ!」
白塗りの顔。黒い縁取りの目。耳まで裂けた口。そして不気味な笑い声。あまりの恐怖に目を逸らしてしまう姉。おそるおそる鏡を見ると、道化師は姿を消していた。ホッとして窓の外の空気を吸おうとしたが、どうしたことか身体が動かない。金縛りだ。視線だけをなんとか窓に向けると…
窓の外に道化師が立っている! そして窓を開け、少しずつ姉に近付いてくる!
「ヒーヒヒヒヒヒ!」
連れて行かれる……姉は観念した。すると道化師は姉を通り越し、台所に向かっていくではないか。道化師は妹を狙っている。何も気付かず野菜を切る妹の背後に、道化師が音もなく迫る。
姉はとっさに鏡を塞いだ! ……道化師は消えていなくなった。
ホッとする姉。何事もなかったかのように野菜を切り続ける妹に、思わず背後から抱きつく。妹は全く反応しない。ちゃりん、と金属の鳴るような音がして、姉は音のするほうを見た。
台所の隅にコーヒーカップが置かれていた。その隣のスプーンに道化師が写り込んでいた。姉に向かってニヤリと笑みを見せる。
「ヒーヒヒヒヒヒ!」
それから少し経って、本物の妹が帰ってきた。姉の姿はない。妹が何気なく鏡を覗き込むと……
鏡の中で道化師が、姉の首を抱えて笑っていた。道化師は鏡の中に人を連れ去ってしまうのだ――おしまい。
もはやアニメですらない怖い話!『世界の闇図鑑』第7話「無邪気な道化師」レビューのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、井口昇、ノーメイクス、JUP-ON STUDIO、17年4月期アニメ、世界の闇図鑑、上埜すみれ、神門実里の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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