■人類の痛みをも覚悟したわりにはオッチョコチョイ
いや、もっとも問題なのは、「あの発表がは嘘だったの?」ってことだ。
社会秩序を崩壊させる内容だ。慎重に発表すべきことだ。
誰もが作れるかどうか試さずに、全世界に向けて発表したのだろうか?
品輪彼方(CV:釘宮理恵)が、折って作って、「誰でも作れますよ」と言った。
これは、まあ、「こども」なキャラクターだから、言うかもしれない。
だからといって、鵜呑みにして、全世界に向けて発表はしないだろう。
品輪彼方に作り方を教えてもらって、数人が試してみて、それで何人かできてから、ようやく、いや、それでも「誰でも作れる」ようなニュアンスでの発表はリスクが大きすぎるので、言い方を選ぶだろう。
それなしで、品輪彼方たったひとりが作れただけで、「人類の痛みをも覚悟した政治家の決断」を下すなんて、ええええー、どんだけオッチョコチョイなんだ。
というか、そんないいかげんなことは「人類の痛みをも覚悟した政治家の決断」とは呼ばない。ただの「軽率な行動」だ。
だいじょうぶか、内閣総理大臣犬束構造(CV:中博史)……。
天才理論物理学者であるはずの品輪彼方も、「形状によってエネルギーを取り出しているのだ」と発表したにもかかわらず、自分で作ってみせるだけで、分析も解析も解説もしない。
これでは、天才理論物理学者ではなくて、ほとんど「駅名を全部言える特技」を持ってるこどもの扱い。
品輪彼方「いやいや、これ誰でもできるようになりますって、それにはちょびっと練習が必要になりますけど」
御船「おまえのちょびっとは当てにならん」
当てにならんのなら、あんな発表しちゃダメでしょ!
こどもっぽいキャラクターってのは判ったので、そろそろ天才理論物理学者の側面も描いてほしい……。
ヤハクィザシュニナ(CV:寺島拓篤)に「品輪彼方は成人であったが、精神構造が未成熟であった」と酷いこと言われて、かわいそうです。
■誰でも作れる発表とは何だったのか
しかも、この後、「プレミアムな人類」真道幸路朗(CV:三浦祥朗)とヤハクィザシュニナの会話で、
「ワムを作るためには異方の感覚を必要とする」
という曖昧な条件が付加される。
異方の感覚!
「ワムの本質をよくつかんでいる」とか言う。
えーと、形状によってエネルギーを取り出せるのではれば、本質とか、異方の感覚とかは、関係ないのでは……。
だから、誰でも作れるって発表だったのでは……。
「脳がこの宇宙に最適化されるほど、異方に適用しなくなる。老人はワムの異方の構造を理解しずらく、こどもは受け入れやすい」
と、80年代のオカルト的な茫洋な言説(誰でもできる、でも子供のように素直に受け入れる無垢が必要だよ!)を述べるのだ。
「ともだち、曖昧な概念だな」とか言ってるまえのほうが百万倍曖昧だよッ! と突っ込みたくなるぞヤハクィザシュニナ。
そして、どうして、解放するみんなを、プレミアムな人類にしてあげなかったんだろう。そうしたら、あっという間にワムが折れる人が増えるだろうに……。
『正解するカド』6話 どこがどう天才なのかわからない問題と、移転するカドの正解がそれってどうなの問題のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、東映アニメーション、寺島拓篤、釘宮理恵、斉藤壮馬、正解するカド、正解するカド KADO:The Right Answer、17年4月期アニメ、三浦祥朗、米光一成、M・A・O、SFの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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