『正解するカド』6話 どこがどう天才なのかわからない問題と、移転するカドの正解がそれってどうなの問題

■人類の痛みをも覚悟したわりにはオッチョコチョイ

 いや、もっとも問題なのは、「あの発表がは嘘だったの?」ってことだ。
 社会秩序を崩壊させる内容だ。慎重に発表すべきことだ。
 誰もが作れるかどうか試さずに、全世界に向けて発表したのだろうか?

 品輪彼方(CV:釘宮理恵)が、折って作って、「誰でも作れますよ」と言った。
 これは、まあ、「こども」なキャラクターだから、言うかもしれない。
 だからといって、鵜呑みにして、全世界に向けて発表はしないだろう。

 品輪彼方に作り方を教えてもらって、数人が試してみて、それで何人かできてから、ようやく、いや、それでも「誰でも作れる」ようなニュアンスでの発表はリスクが大きすぎるので、言い方を選ぶだろう。

 それなしで、品輪彼方たったひとりが作れただけで、「人類の痛みをも覚悟した政治家の決断」を下すなんて、ええええー、どんだけオッチョコチョイなんだ。
 というか、そんないいかげんなことは「人類の痛みをも覚悟した政治家の決断」とは呼ばない。ただの「軽率な行動」だ。
 だいじょうぶか、内閣総理大臣犬束構造(CV:中博史)……。

 天才理論物理学者であるはずの品輪彼方も、「形状によってエネルギーを取り出しているのだ」と発表したにもかかわらず、自分で作ってみせるだけで、分析も解析も解説もしない。
 これでは、天才理論物理学者ではなくて、ほとんど「駅名を全部言える特技」を持ってるこどもの扱い。

 品輪彼方「いやいや、これ誰でもできるようになりますって、それにはちょびっと練習が必要になりますけど」
 御船「おまえのちょびっとは当てにならん」

 当てにならんのなら、あんな発表しちゃダメでしょ!
 こどもっぽいキャラクターってのは判ったので、そろそろ天才理論物理学者の側面も描いてほしい……。
 ヤハクィザシュニナ(CV:寺島拓篤)に「品輪彼方は成人であったが、精神構造が未成熟であった」と酷いこと言われて、かわいそうです。

■誰でも作れる発表とは何だったのか

 しかも、この後、「プレミアムな人類」真道幸路朗(CV:三浦祥朗)とヤハクィザシュニナの会話で、
「ワムを作るためには異方の感覚を必要とする」
 という曖昧な条件が付加される。
 異方の感覚!
 「ワムの本質をよくつかんでいる」とか言う。
 えーと、形状によってエネルギーを取り出せるのではれば、本質とか、異方の感覚とかは、関係ないのでは……。
 だから、誰でも作れるって発表だったのでは……。

「脳がこの宇宙に最適化されるほど、異方に適用しなくなる。老人はワムの異方の構造を理解しずらく、こどもは受け入れやすい」
 と、80年代のオカルト的な茫洋な言説(誰でもできる、でも子供のように素直に受け入れる無垢が必要だよ!)を述べるのだ。
「ともだち、曖昧な概念だな」とか言ってるまえのほうが百万倍曖昧だよッ! と突っ込みたくなるぞヤハクィザシュニナ。

 そして、どうして、解放するみんなを、プレミアムな人類にしてあげなかったんだろう。そうしたら、あっという間にワムが折れる人が増えるだろうに……。

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