社会のはみだし者たちが集まった“銀河の守護神”vol.2が公開中! 超オタク監督ジェームズ・ガンはどこへ行く?

社会のはみだし者たちが集まった銀河の守護神vol.2が公開中! 超オタク監督ジェームズ・ガンはどこへ行く?の画像3「ボクはグルート」としか言わないベビー・グルート。ガーディアンズ、いや全宇宙の命運は彼に託されることに。

 ひと言でいうとジェームズ・ガン監督の作品は、どれも超オタッキーでバイオレンス満載で、女性に対する不信感がハンパない。それが彼の作品の魅力でもあったが、同時にオタク向けのマニアックな世界にとどまっていた要因でもあった。それがどうだろう。ディズニー配給の大作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督に指名されたのも驚きだったが、開けてびっくり周囲の期待を大きく上回る特大ヒット作に。これまでジェームズ・ガン監督が歩んできたオタク人生の中で溜め込んできた負のエネルギーが、ガーディアンズという仲間を得たことでピーターが孤独から解放されていく展開とシンクロするかのように、いっきに陽性のエネルギーへと転じていったのだ。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズが成功し、その特異な才能が多くの人から認められたジェームズ・ガン監督。多分、今は私生活も順調なのではないだろうか。今回のガーディアンズのメンバーたちは、血の繋がらない家族として、前作以上に結束を固めていくことになる。ひとつだけ心配なのは、負のエネルギーでここまで突き進んできたジェームズ・ガン監督がフツーの人気監督になってしまわないかということ。『スリザー』や『スーパー!』のような、歪み加減がサイコーに素晴しい作品をもう観ることができないかと思うと、それはそれでちょっと残念な気もする。

 最後にもうひとつ蛇足情報を。海賊にさらわれた子どもがタフな大人に成長し、義賊として活躍するというストーリーラインは、19世紀の文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説『笑う男』が原典となっている。肉親の愛情を知らない、コンプレックスの塊である“笑う男”の冒険談は度々映画化され、『バットマン』の宿敵ジョーカーのモデルにもなっている。ピーターも前作でガモーラたちと出逢っていなければ、ジョーカーのような凶悪犯になっていたかもしれない。そう考えると、やはり『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の成功は、ピーターにとってもジェームズ・ガン監督にとってもすごく幸運なことだった。
(文=長野辰次)

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
脚本・監督/ジェームズ・ガン
出演/クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、マイケル・ルーカー、カレン・ギラン、ポム・クレメンテイエフ、エリザベス・デビッキ、クリス・サリヴァン、ショーン・ガン、カート・ラッセル、シルベスタ・スタローン
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン 5月12日(金)より全国ロードショー
(c)Marvel Studios 2017
http://marvel.disney.co.jp/movie/gog-remix.

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