『サクラクエスト』6話 売れたかったら蝉を食え。女優って職業の人は……「変わった人間」なんだなぁー

『ジョジョの奇妙な冒険』の人気キャラクター・岸辺露伴が、今後描くマンガでリアルティを出すために、「味もみておこう」とクモをなめるシーンがある。広瀬康一いわく「マンガ家って職業の人は……『変わった人間』なんだなぁー」。
 この理論だと、「女優って『変わった人間』なんだなー」になる(ちなみに、セミの唐揚げはおいしいそうです)。

 萌は誠実な努力家な上に、テレビ向きなキャラが立っている。
 一方で、真希は良くも悪くも常識人。
 だから、後輩の萌がブレイクした話をする時に、彼女の経歴よりも先にセミの話を出してしまう。特別になりたい人が、自分に無いものを持つ人「変わった人間」に出会うと、自己評価がぐんと下がる。
 ここは由乃が町にきて「普通じゃないものになりたい」と言っていたところと、かなりかぶる。だが、真希も由乃も、普通だ。

 最初からネガティブになる姿勢が、6話までの真希には多々見られた。それを相殺するくらいに由乃がポジティブなので、いいストッパー役だった。ところが今回は由乃ときちんと話をせず、一方的に沈んでしまった。
 大好きだったはずの演劇をけなし貶め、自分と切り離そうとする真希は、香月早苗(演:小松未可子)に「みっともないよ」と叱咤された。

 逃げて距離を置くのは、心の整理のために必要だ。しかし、対象を貶めて自分が正しいと言ってしまうのでは成長がなく、同じような失敗を繰り返しかねない。前回、木彫の話で痛い目にあった早苗だからこそ、言える発言だ。
 避けて通ろうとする割に、真希は撮影現場を覗きに行っている。

■めっちゃ色々あるな間野山

 なんにもないなんにもない、と言っていた間野山町だけど……見どころ多いのでは?
 江戸時代から続く趣のある街道、伝統工芸として認められた木彫、今も動く水車小屋、地域ぐるみの和太鼓。由乃「間野山っていいとこわりとあるね」

 アニメ自体は基本由乃視点で、「東京から来た→なんにもないど田舎」という0点からスタート。町をウロウロすると発見がたくさん出て来る、加点方式だ。
 一方町の人は、かつてそこそこ盛り上がっていて、今はない、という減点方式。こうなるとどこかに視点の新しい切り口を入れないと、町の意識は凝り固まってしまう。

 それこそ今回サード助監督が「ロケに必要な風景がコンパクトにまとまっている」とこの町を称していたが気になる。もしかして、チョットひねれば駅を起点に名所をつなぎやすい、恵まれた地形なのでは?

 いつも笑顔でこの町をこよなく愛するしおりが、6話で落ち込み続けている様子は、見ていてつらい。だんないよ、しおりちゃん!
 現実でも廃墟家屋問題は、地方都市の抱える重要な課題。どう物語内で処理していくのかは見どころ。
 今は廃墟も、観光資源になったりするしね。

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