『笑ゥせぇるすまんNEW』第6夜 ブリーフを着用する男には、何かしらの事情がある

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──『笑ゥせぇるすまん』放送当時に生まれた山川悠だ。『笑ゥせぇるすまんNEW』（TOKYO MXほか）を毎回レビューをしていくぜ。＊ここまでのレビュー

『笑ゥせぇるすまんNEW』公式サイトより
　今回第6夜は両主人公ともに、ホラー系っぽい。前半はフランケンシュタイン、後半はドラキュラをイメージさせるお話になっている。

■かいぶつかします

1、主人公
　宇土泰造（29）俳優

2、境遇
　ダメダメな巨漢の役者。エキストラをやってもそのデカい図体で主役よりも目立ってしまい、仕事がなかなか入らない。結婚していて、赤ん坊がいる。

3、喪黒さんの提供したサービス
　宇土をマネジメントしてくれる。仕事が入らないのは、身体が大きいのに童顔なのが原因と分析。フランケンシュタインの怪物に似たマスクを渡した。

4、結果
　喪黒さんの狙い通り、宇土は大ブレイクして有名人に。噂を聞きつけたかつてのマネージャーが喪黒さんに金を渡し、マネジメントの権利を奪い取った。最後のお別れにと「ドーン！」を喰らった宇土は、マスクが二度とはがれなくなる。

5、旧作データ
　『帰ッテキタせぇるすまん』（実業之日本社）第1巻「怪物貸します」より
　アニメ放送歴なし

■今夜も最高

1、主人公
　銅羅木遊良（22）大学生

2、境遇
　夜型人間の銅羅木。昼間に仕事をしている彼女と生活のリズムが合わないことを悩んでいる。

3、喪黒さんの提供したサービス
「アロマでグッスリーノ」。火をつけると部屋中瞬く間に煙が広がってすぐ寝られる。
　喪黒さんの出した条件は、今後、これを使う以上はけっして夜更かししてはいけないこと。

4、結果
「ウェ〜イ！」なノリの先輩に捕まり、飲み会、ボーリング、カラオケでオールをしてしまった銅羅木。反省して二度と夜更かしはしないと誓ったものの、彼女は夜の商売を始めたため、再びすれ違いの関係に戻った。

5、旧作データ
　アニメオリジナル

■旧作では原始人化、NEWでは怪物化した宇土

　旧作では『怪物貸します』、NEWでは『かいぶつかします』というタイトル。今回のお話は「怪物化します」という意味合いが、旧作以上に強調されている。NEWの方では、覆面が剥がれなくなった際に、よりいろんなものを破壊していた。

　旧作では、
　ギャーッ
　ギャワーッ　マスクがくっついてとれないぞーっ!!
　ガオーッ!!　なんとかしてくれーっ!!
　ドシー！　たすけて！
　レレレー　どうなってるのー!?

　っていう声を上げてパニックになりながら、マネージャー、監督を踏みつぶしている。
　旧・宇土は、明確な日本語のセリフの前に必ず、原始人でもしゃべれそうな感動詞を叫ぶのが特徴。
「ガオーッ!!」以外は、暴力を振るってる割に、マイルドなセリフ。「レレレ」は掃除してる人が言う感動詞で、あとの3つは肉体的被害を受けた人たちが言うタイプのもの。

　NEWでは、
　イヤアァァァアアァァァア!!　マスクがくっついてとれないぞぉ!!　ぬぁんとかしてくれぇっ!!!

　と叫び出し、映画のセットを次々と破壊。止めに入ったマネージャーはケツを丸出しにした状態でぶっ飛ばされ、監督は泣きべそ掻きながら、一部ブリーフを露出させられた。

■秘密にしておきたいブリーフ姿

『笑ゥせぇるすまん』は主人公の近くに小悪党がまとわりついているケースもある。で、主人公が「ドーン！」されたあとに、思わぬ形で巻き添えを喰らう。今回は、マネージャーと映画監督がやられた。
　監督は、序盤で「宇土の存在自体が芝居の邪魔になる」みたいなことを怒鳴り散らして蹴りを入れていた。だが、終盤の宇土の大暴れによって、ブリーフを穿いているのが周囲にバレてしまう。

　仕事でブリーフを着用するお笑い芸人
　妻の命令でブリーフを穿く浮気癖のある夫
　お母さんにトランクスに変えたいと告白できず、いやいやブリーフを穿き続ける小中学生

　ブリーフを穿く多くの男には、何かしらの事情がある。
　あのとき、監督が流した涙には、パンチラしたことへの絶望感も含まれていたんじゃないかと思う（宇土への恐怖感ももちろんあったけども）。
（文／山川悠）