ミリオタライター二木知宏の「武器で見る映画」第12回

まるで猫VS象!? 近代兵器の見本市『ワイルド・スピード ICE BREAK』

まるで猫VS象!? 近代兵器の見本市『ワイルド・スピード ICE BREAK』の画像1映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』公式サイトより

 武器で見る映画第12回は、こちら!『ワイルド・スピード ICE BREAK』(原題:Fast & Furious 8 2017)です。F・ゲイリー・グレイ監督、ヴィン・ディーゼル主演、超がつくほど有名な作品の8作目。注目はどんな車が出るのかってところですが、僕はそれ以上にどんな武器がでてくるのかという見方をさせていただきました。

 どんどん紹介していきましょう。物語は「EMP爆弾」を奪取する作戦から始まります。「EMP爆弾」とは、決して架空の兵器ではありません。日本語にすると「電磁波爆弾」で、Electromagnetic pulse bomb、略してEMPなんですけど、電磁パルス兵器なんて日本語英語混ざった言い方で紹介されたりもします。なんせ実在の最新兵器です。強力な電磁波を発生させて、電子機器を使用不可にする兵器です。高高度核爆発(高層大気圏での核爆発)が起こると、同じ現象が起きます。このEMP爆弾の強奪がこの後の事件に大きく関わってきます。

 今回は『ワイルド・スピード』なので、車に特化して、車載された兵器群を紹介していきましょう。まず、最初に出た車載兵器は、ロシアの国防大臣を護衛する車の上から出てくる「M134 ミニガン」。これはアメリカのゼネラル・エレクトリック社製で、同社の「M61A1 バルカン」の小型版ということでミニガンなんですが、その破壊力は驚異的。アサルトライフル用の7.62×51mmNATO弾を最大1秒間100発撃てる連射力を持ち、建造物すら破壊するってアメリカの兵士がインタビューで答えていた記憶があります。生身の人間が被弾すれば、「痛い!」と思う前に死んでいる、ということから、“ペインレスガン”“無痛ガン”とも呼ばれています。まさに北斗神拳のような武器です。

 次は、『アイスブレイク』らしく、氷上で使用された武器を紹介します。ロシアの反体制派が車で主人公たちファミリーを追う時、撃ってくるのがソビエト連邦製対空重機関銃「DShK38重機関銃」です。「デシーカ」「デュシーカ」などと呼ばれています。アメリカ人からは“ダッシュK”と恐れられ、比較的古いものなのですが、いまだ多くの国々で現役です。このデシーカの使用弾丸は12.7×108mm弾丸になります。

 「デュシーカ」に対抗して、登場するのが、ベルギーのファブリケ・ナショナル・デルスタル・ド・ゲール社(以下、FN社)の重機関銃「GAU-21」。世界一番有名な重機関銃「ブローニングM2」をFN社が改造したもので、映画内では銃身が改造されていて、先が4つに分かれているのです。この改造によって、冷却がより素早くできるようになっています。

 そして、最後の方に出てくる今回の目玉兵器! これは予告でも、ポスターでも大々的に登場してますが、原子力潜水艦です。最強の兵器は何か? これよく武器とか兵器とか好きな人が集まると話になるんですよ。そこで名前が必ずと言っていいほど挙がるのが、イージス艦と、原子力潜水艦なんです。原子力潜水艦は原子炉を動力とする潜水艦で、保有している国も少なく、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の国連常任理事国と、インドの計6カ国のみです。

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