ミリオタライター二木知宏の「武器で見る映画」第9回

“パロディ”と“リアリティ”のハーモニー! ミリオタが思わず唸る『キングコング:髑髏島の巨神』

 そのほかにも、サコー社製「M60軽機関銃」やゼネラル・エレクトリック社製「M134ミニガン」なども登場。ここで「軽機関銃」の話をしましょう。機関銃、英語でいうとマシンガンですが、まず機関銃についてからです。機関銃とは、フルオート連射による攻撃専用に作られた銃で、スナイパーライフルのような精密射撃はできません。複数人で運搬、射撃を行うほど大がかりの武器であり、その分、高い連射性と大口径による高威力を誇っています。しかし、同じように連射可能で一人でも運用できる小型の機関銃も登場します。それを「軽」機関銃、ライトマシンガンとし、今まで機関銃って言っていたものを「重」機関銃、ヘビーマシンガンにしようって分類になりました。

 ちなみに、過去の記事でも書きましたが、もっと小型で拳銃に装填できるような弾丸を使うものが「短」機関銃、サブマシンガンとなりました。M60は軽機関銃なので、一人で運用します。対してM134は「ミニガン」なんて呼ばれているのに重機関銃。M61っていうガトリングガンの小型版だから、「ミニガン」って名前なんですけど、デカく、平気で10kg以上あります。映画内では、ヘリコプターからキングコングに攻撃しています。果たして、これらがどのくらいキングコングに対抗できるのか? 楽しみにしてください。

 そして、時代を象徴する武器も登場します。火炎放射器です。ベトナム戦争で使われたもので、「M9火炎放射器」。この武器の何が怖いって、銃と違って即死はほぼなく、かなり苦しませるところ。たとえば洞窟などに逃げた相手に向かって放射することで、燃焼により、洞窟内の酸素がなくなり窒息死させてしまいます。このことから今現在では、アメリカ軍は人道的見地に基づいて、人に向けての使用を禁止しています。

 このように、映画『キングコング:髑髏島の巨神』は時代のアイコン的兵器、武装が数多く登場します。パッカード大佐が携帯している拳銃は少し古いモデルだから、きっと頑固で古風な人なんだろうな〜、と想像を巡らせることもできるのです。誰がどの武器を使うのか、それは映画を読み解くうえで、重要な要素だとわかるわけです。いやぁ〜、武器って本当にいいもんですね〜。
(文=二木知宏[スクラップロゴス])

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