【劇場アニメレビュー】短尺ながらもTV3期が楽しみになる『劇場版FAIRY TAIL フェアリーテイル DRAGON CRY』

 あえて比較すると、前作『鳳凰の魔女』が一般層を意識した門戸の広い作りになっていたのに対し、今回はファン気質を強めている感があり、連載から10周年を迎えての人気作ゆえ、その方向性は間違っていないだろう。

 また今回はルーシィやフェアリーテイル最強のS級魔導士エルザなど女性キャラの魅力に重心が傾き、アングルなども含めてちょっとHな描写も多い。もっとも『FAIRY TAIL』の場合、そういった要素も嫌味なく微笑ましいものとして映るのが常ではあり、それゆえに女性ファンも多い。

 事実、今回私が見せていただいたのはマスコミ用ではなく一般試写会だったが、観客の男女比はちょうど半々で、若者層が主軸ではあったが意外に年配客も来ており、上映中は各キャラの言動のひとつひとつに反応してはドッカンドッカン受けていた。

 個人的に楽しかったのは、やはり氷の造詣魔導士グレイ様ラブのジュビアをめぐる諸描写で、やはり『FAIRY TAIL』はこれがなくちゃ! と言わんばかりの楽しさであった。猫のシャルルの変身魔法後の姿を銀幕で拝めたのも嬉しい。

 アニムスやソーニャといった新キャラに関して深く言及していくとネタバレになるので、その愚は避けたいところだが、その魅力も巧みに醸し出されていることは伝えておいてもいいだろう。

 ただし前作もそうだったが、今回も上映時間85分と、かなり短めの尺なのは正直もったいない。お話そのものは面白く、キャラの魅力もその時間枠の中でそれなりに描かれてはいるのだが、ストーリーテリングがどうにも駆け足すぎて、あれよあれよという間に終わってしまう感が否めないのだ。

 最近のアニメ映画は90~100分くらいの尺で収めるタイプのものが多く、もう少し見たいのにと、物足りなさを感じることも多いのだが、今回はさらにその印象が強く、このお話なら2時間くらいあってもよいのになあと思わざるを得なかった。

 現に上映が終了すると場内から拍手が起きて、大方の観客は満足気な雰囲気ではあったが、会場を出ていく若い女の子たちがニコニコしながら「これなら3時間くらい見ていられるよね」などと語り合っているのを見かけた。

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