【劇場アニメレビュー】短尺ながらもTV3期が楽しみになる『劇場版FAIRY TAIL フェアリーテイル DRAGON CRY』

2017.05.06

『劇場版FAIRY TAIL フェアリーテイル DRAGON CRY』公式サイトより

 2006年より真島ヒロが「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気マンガ『FAIRY TAIL』は、2009年~13年に第1期、14年~16年に第2期とTVアニメーション・シリーズが制作され、12年には劇場用映画『劇場版FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』が公開されている。

 舞台となるのは、魔導士たちに仕事の仲介をするギルドが多数存在する異世界。そこで「フェアリーテイル(妖精の尻尾)」と呼ばれる魔導士ギルドに属する滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)のナツや、一人前の魔導士を目指すルーシィなど多彩な面々の活躍を描いていくファンタジック・アクション群像劇で、コミカルとシリアスのバランスも巧みにはかられたエンタテインメントとして老若男女幅広い層の支持を得ている作品だ。

 とにもかくにも一人一人のキャラクターが、誰を主人公にしてもドラマが成立するくらい個性的でユニークなのがよく、また真島ヒロの爽快な絵のタッチは見ているだけで心弾ませるものもあり、アニメ版もそこを踏まえた作画姿勢に好感が持てるところで、さらには声優陣すべての声がキャラとピタリ合致しながら魅力を増大させているのも強調したいところである。

 さて、今回お目見えするのは劇場用映画第2弾となる『劇場版FAIRY TAIL フェアリーテイル DRAGON CRY』である。TVシリーズ第2期の放送が終わって1年、そろそろアニメの新作が見たいとしびれを切らし始めていた者としては実にうれしい限りである。

 前作『鳳凰の巫女』でも真島ヒロがストーリー原案などを手掛けていたが、今回も総合プロデュースとして参加。自ら200ページに及ぶネームを描き下ろし(こちらは来場者プレゼントとして劇場配布される)、それを基にした熱いドラマが展開されていく。

 フィオーレ王国の神殿に奉られている、人間たちに葬られたドラゴンたちの怒りが宿る杖・竜の涙“ドラゴンクライ”が王国の反逆者ザッシュによって奪われ、ステラ王国の国王アニムスの手にわたってしまった。竜の涙奪還の依頼を受けたナツたちフェアリーテイルの面々はステラ王国に乗り込んでいくが……といったストーリー。

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