『この世界の片隅に』がアヌシーとザグレブにノミネート! アヌシーのノミネートには『聲の形』『夜明け告げるルーのうた』も

 6月に開催を控えるアヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)と、ザグレブ国際アニメーション映画祭(クロアチア)の長編部門ノミネート作品がそれぞれ発表。日本の作品では『この世界の片隅に』(監督:片渕須直)が、ダブルノミネートとなった。

『この世界の片隅に』がアヌシーとザグレブにノミネート! アヌシーのノミネートには『聲の形』『夜明け告げるルーのうた』もの画像1画像:『この世界の片隅に』(アヌシー国際アニメーション映画祭公式サイトより)

 さらにアヌシーでは『聲の形』(監督:山田尚子)、『夜明け告げるルーのうた』(監督:湯浅政明監督)もノミネート。昨年は長編部門に日本の作品のノミネートがなく寂しい状況だったが、比較すると今年は華やかな状況となった。

 またアヌシーにおけるノミネート作以外の長編の公式上映では『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(監督:神山健治)、『ルドルフとイッパイアッテナ』(監督:湯山邦彦、榊原幹典)の名も見られる。またイベント上映では『BLAME!』(監督:瀬下寛之)も名を連ねている。

 一方、ザグレブの長編部門には『この世界の片隅に』のほか、海外から監督を迎えて制作されたスタジオジブリ作品『レッドタートル ある島の物語』(監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)がノミネートされている。

『この世界の片隅に』がアヌシーとザグレブにノミネート! アヌシーのノミネートには『聲の形』『夜明け告げるルーのうた』もの画像2画像:『聲の形』(アヌシー国際アニメーション映画祭公式サイトより)

 アヌシーとザグレブは、世界4大アニメーション映画祭と称されている(残る2つはカナダのオタワ国際アニメーションフェスティバルと日本の広島国際アニメーションフェスティバル)。このうち広島には長編部門がなく、隔年の開催(次回は2018年)。そして4映画祭ともアカデミー賞の公認映画祭だ。

 なお『レッドタートル ある島の物語』は、今年のアカデミー賞にノミネートされたことでも覚えている人がいるかもしれない。今年のアヌシー・ザグレブのノミネート作品から、来年のアカデミー賞にノミネートされる作品を予想してみるのも一興だろう。

 このほかアヌシーとザグレブにおける短編部門などのノミネート作品は、先の「東京藝大院アニメーション専攻の新作が早速ザグレブに入選! タマグラアニメ博2017は3年生の作品から一挙上映でお得」内にて記した(記事参照)。

『この世界の片隅に』がアヌシーとザグレブにノミネート! アヌシーのノミネートには『聲の形』『夜明け告げるルーのうた』もの画像3画像:『夜明け告げるルーのうた』(アヌシー国際アニメーション映画祭公式サイトより)

 最近では短編分野で活躍した作家が、TVアニメシリーズのエンディング制作などに参加するケースが増えている。たとえば今年のザグレブの短編部門に『Jungle Taxi』でノミネートされたキム・ハケンは、4月より放送を開始した『進撃の巨人 Seazon 2』(TOKYO MXほか)のエンディング制作スタッフの1人としてクレジットされている。

 昨年、アヌシーと広島でノミネートされた短編『The Eye of The Storm』の平岡政展は、現在放送中の『リトルウィッチアカデミア』(TOKYO MXほか)のエンディング制作に参加している。あの見ていて気持ちの良いメタモルフォーゼは、彼ならではの作風。このように、アニメファンであれば短編アニメーション作家の仕事を、知らず知らずのうち目にしている機会も多いので、短編にも関心を向けると、よりアニメもアニメーションも楽しめるだろう。
(取材・文/真狩祐志)

■アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/

■ザグレブ国際アニメーション映画祭
http://www.animafest.hr/

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