しののめしの『巨乳とロリとボーイッシュ』男子のエロ妄想を描くため……いつまで経っても季節は夏!! 

 しののめしの『巨乳とロリとボーイッシュ』(一迅社)は、一見ハイテンションな展開とボケで、すべてを処理しようとする凡百な四コマ。かと思ったら、まったくそんなことはなかったのです。

 こうした萌え系四コマでまず重要なのは、キャラ設定。この作品はタイトル通り、巨乳とロリとボーイッシュな女の子たちの学園生活を描きます。凡庸な表現でジャンル分けするならば日常系。でも、この3人、すごく動かしやすいキャラクターなのです。巨乳の美内あかねは、ガチで天然な性格の迫力ボディの女の子。ゆえに男子からは絶大な人気を誇りますが、女子からは嫌われまくっています。

 ロリの鈴村ゆかりは、頭もよくしっかりした性格の美少女ですが、体型はガチすぎるロリ。ゆえに、同級生からも「お兄ちゃんと呼んでくれないか」と迫られるくらいです。

 そして、ボーイッシュな千歳みどりは、女子からは大人気ですが、本人は迷惑。何より、性格も竹を割ったようなものなので、男に間違われることもしばしば。

 こんな風に、本人が望まずして、様々な属性を手に入れてしまった3人の友情を軸に描く日常系……と思いきや、実は一筋縄ではいかない作品でした。

 正直、この設定では出オチ感満載すぎると思ったのですが、そんなことはありません。

 それは、3人の世界だけで物語を完結させず、モブであるクラスメイトたちとの絡みを描くシーンが多いからです。

 わかりやすいのが、巨乳のあかねとクラスメイトの絡み。常に制服では谷間が抑えきれない状況なので、消しゴムを拾ってもらっただけで男子は事案発生の一歩手前になるのです。そう、そうした名も無きモブたちの、どうでもいい一喜一憂こそが、本作ではもっとも面白い部分です。

 とりわけ気合が入っているのがプール回。この学園、なぜか指定のスクール水着ではなく私物で授業という設定。ゆえに、あかねへのビキニへの期待。そして「ポロリもあるかも」と男子たちが期待する様で、笑わせにかかってくるのです。かと思いきや、ゆかりの小学生みたいな水着に、ロリコン紳士たちは「焦らず騒がすノータッチ」と心の中で呟いていたり。このクラス、事案が発生しまくりそうな危険さこそが魅力です。

 毎日の授業でも、3人が暑さをぼやいていれば「透けブラ」を期待したりと、とにかくモブに過ぎないはずの男子たちの妄想力は止まるところを知りません。いや、むしろ真の主人公はモブたちなんじゃないかという雰囲気すら。

 そんな展開が止まらないのか、単行本の一巻を通じて、作品世界ではずっと夏が続いています。ならば、男子たちのエロ妄想と、ハプニングへの期待が止まらないのも当然。ここまで妄想を全振りできるなんて、この作者、人生が楽しそうじゃないですか。

 きっと、このクラスの男子。冬になって着込んでも、また新たな妄想で興奮するんでしょうね。
(文=大居候)

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