『Fate/Apocrypha』から学ぶ! 一番わかりやすい『FGO』原典紹介(中編)

 近親相姦という罪の元に産まれたモードレッドは、その直後から災難に遭います。アーサー王の側近であった魔術師マーリンが「5月1日に産まれた子供が、将来アーサー王と王国を滅ぼす」と、暗にモードレッドの誕生を予言したため、5月に産まれたモードレッドを含めた子どもたちはすべて集められ、船で海へと流されてしまったのです。

 ほとんどの子どもたちは死んでしまったと思われますが、モードレッドは奇跡的に助かっており、親切な漁師に拾われ育てられます。そして成長したモードレッドはアーサー王の元へ行き、円卓の騎士の一員となるのです。

 原作中でのモードレッドは、確かに騎士道にもとる後ろ暗いことを少なからず行っています。ですが、若すぎる騎士の腕前について「馬に乗るのは熟練が必要、彼とて徒歩ならば立派に戦える」と擁護したり、仲間の冒険の旅を補佐するなど、円卓の騎士たちからは信頼を得ており、基本的には騎士道や正義に基づいた行動を取っています。

 そして物語の終盤、モードレッドを含めた12人の騎士が、円卓の騎士最強の存在であり、アーサー王の親友でもあるランスロットと王妃の不倫現場に乗り込み、不貞の証拠を掴み事実を暴きます。

 ランスロットは口封じのため、何とか逃げ延びたモードレッド以外の騎士を全員殺害します。さらに不貞の罪によって処刑される直前の王妃を助け出し、その際にも円卓の騎士たちを数多く殺害し、逃走するのです。

 これによってアーサー王とランスロットは完全に決別、円卓の騎士も2派に分裂し、アーサー王軍とランスロット軍との全面戦争へと至るのです。

 この戦争の最中、外国へと逃げたランスロット軍を追うため、アーサー王はモードレッドに国の留守を任せ出撃します。モードレッドはその隙を突き「アーサー王は戦死した」と偽の情報を流し、戴冠式を行って国を乗っ取ってしまうのです。

 モードレッドは孤独に蜂起したと思われがちですが、実のところ孤立無援などではありませんでした。国にはアーサー王の治世を良く思わない者も数多くおり、国内のほとんどの貴族はモードレッドに味方しています。

 そして慌てて戻ってきたアーサー王軍とモードレッド軍は、アーサー王最後の戦いとなる「カムランの戦い」を引き起こし、双方の兵士が殆ど死に絶えるほどの壮絶な戦いを繰り広げます。最終的にはアーサー王とモードレッドの一騎打ちとなり、モードレッドは戦死、アーサー王は致命傷を負い異世界アヴァロンへと旅立つのです。

 この時アーサー王は、何故か愛剣エクスカリバーではなく「槍」をもって、騎乗してではなく徒歩(かち)での一騎打ちを挑んでいるのですが、それに関しては機会があればご紹介したいと思います。

 余談となりますが、モードレッドが反乱を起こした理由や事情について、作中ではまったく触れられていません。自分の兄弟を多数殺したランスロットの肩を持つ父に不満を持ったのか、産まれてすぐに捨てられたことを恨みに思っていたのか、単なる気の迷いからなのか。その理由は読み手側が想像するしかないのです。

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