『Fate/Apocrypha』から学ぶ! 一番わかりやすい『FGO』原典紹介(前編)

1705_fgo01_01.jpgアニメ『Fate/Apocrypha』公式サイトより

 3月下旬に開催された「AnimeJapan 2017」にて、さまざまな新展開が発表された『Fate/stay night』(TYPE-MOON)。スピンアウト小説『Fate/Apocrypha』(著:東出祐一郎、画:近衛乙嗣)のアニメ化が発表されました。『Fate/Grand Order』(TYPE-MOON、アニプレックス)も次々にイベントやストーリーが進んでおり、さらなる発展が期待できそうです。

 そこで今回は複数回に分け、『Fate/Grand Order』にも参戦が濃厚であろう、またはすでに参戦している、『Fate/Apocrypha』に登場するキャラクターから数名をピックアップ、その原典などをご紹介していきます。

1705_fgo01_02.jpg『Fate/Apocrypha vol.2「黒の輪舞/赤の祭典」』表紙より(TYPE-MOON BOKKS)

■黒のセイバー:ジークフリート(ドイツ民話)

 ジークフリートはドイツ民話『ニーベルンゲンの歌』の主人公であり、ワーグナーのオペラ『ニーベルングの指環』にも同名の主人公が存在しています。この2人の主人公は、どちらも北欧神話の英雄「シグルス」を元に作り出されたキャラクターとなります。

『FGO』のキャラクター紹介では「情の深い高貴な騎士で、冒険の結果バルムンクや魔法の外套を手に入れた」「悪竜ファヴニールを打ち倒した」「竜の血を浴び、飲んだことで不死身の肉体を手に入れた」「いつか己の正義を信じて戦う正義の味方になりたい」など書かれており、また発言や性格は高貴な騎士そのものです。

 ところが、キャラクターの原典作品とされている『ニーベルンゲンの歌』におけるジークフリート(作中では古いドイツ読みのジーフリト)には、『FGO』における設定や性格がほとんど見られないのです。

何事も暴力で解決するのが一番だ

1705_fgo01_00.jpg<Wikimedia Commonsより。ジーフリトと妻クリエムヒルト>

 ひとまず、原作作中においてのジークフリートは「高貴な血筋のメチャクチャ強くて何でもできてお金持ちでイケメンのモテモテな王子様」という、非の打ち所のない完璧な人間と評されています。

 ところがそのような評価に対して、作中でのジークフリートは「頭が軽く配慮のない、横柄な乱暴者」という描写のほうが圧倒的です。

 たとえば名剣バルムンクとニーベルンゲンの財宝は「ジークフリートが、ニーベルンゲン族の名門の君主2人から大量の財宝の分配を頼まれ、その報酬としてニーベルンゲンの剣(バルムンクのこと)を受け取る。だが分配の不公平に文句を付けられたことでカッとなり、その場にいた兵士700名以上をバルムンクで皆殺しに。生き残りは城と国と共に財宝すべてを差し出し命乞いをするが、ジークフリートは許さず2名の君主も殺害、なし崩し的に城と国、財宝と名剣を手に入れた」と、その経由が語られています。

 さらに姿を隠せる魔法の外套は「殺された君主たちの仇を取ろうとした小人を追い詰めて奪い取る」という経由で手に入れているのです。これらアイテムは冒険の結果というよりも、理不尽な暴力によってニーベルンゲン族から奪い取った、と言った方が適切でしょう。

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