「森見登美彦先生の変化が一番見られる作品」!? 『有頂天家族2』プロデューサー&P.A.WORKS代表・堀川氏インタビュー

■「同じ森見ワールドでも湯浅監督と吉原監督とでは、捉え方が全然違う」

―― 現在、劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』も公開中です。森見作品を意識して2017年に集中したのでは? と深読みをするアニメファンもいるようです。

堀川 いやいや、偶然です(笑)。僕も、『夜は短し歩けよ乙女』が劇場決定というニュースを見てびっくりして。さらに公開が4月7日で、僕らの試写会と被るじゃないか! と思った記憶がありますから(笑)。森見先生はご存知だったかもしれないけど、特にお話されることもなく。

―― 以前から湯浅監督で『夜は短し歩けよ乙女』が映画化されるというお話は、ちょいちょい囁かれていましたよね。

堀川 湯浅監督とは知りませんでしたが、この作品はいつアニメ化されるのだろうと思っていました。ようやく実現するんだと。映画も見てきました。同じ森見ワールドでも湯浅監督と吉原監督とでは、世界観が全然違いましたね。

 お互いの作品を意識するというよりは……僕らが作っている『有頂天家族』に関しては自信があるし。湯浅さんも凄く才能のある監督だから、次に森見作品をアニメ化する時のハードルがどんどん上がっていくな、いいぞ、いいぞと、森見作品ファンの僕は思っています(笑)。

―― 次に来るかもしれない、森見先生作品を原作とするアニメのハードルをお互い上げあってると(笑)。

堀川 やっぱり、みんな比較したくなるじゃないですか。でも、それはそれとして僕も見たいんですよね、森見作品のアニメを。たとえば『ペンギン・ハイウェイ』も、どの監督ならあの世界をアニメ化できるんだろうかと期待しています。いつか見たいなと思いますし。

―― では、森見ワールドを一緒に盛り立てていけばいいなぐらいな感じ?

堀川 うーん、一応ライバルでいたいですね(笑)。ライバルだけど、僕個人は湯浅監督ファンでもあるので、楽しみにして映画館へ行って、楽しんできましたから。やはりね、アニメ業界の監督の中でも予想の斜め上を行く刺激をくれる監督じゃないですか。

―― 湯浅監督の映像だなと、一目でわかる監督さんですよね。

堀川 そういうものを楽しませてもらいましたし。だからライバルとは言いつつ、負けないよとかそういうことではないなぁ。違う方向性のアニメーションでもあるので、お互いの得意な表現で挑戦しあえればいいなあと。

―― 今回はメディアも違いますしね。

堀川 そうですね。実は1期の『有頂天家族』も、映画でと、最初は検討したこともあったんですが、どう構成しても2時間に収めようとすると原作の良いところが損なわれてしまうので、TVシリーズにしたという経緯があるんです。森見先生の作品を、特に『有頂天家族』を1時間半~2時間でまとめることは僕には出来なかったんです。『夜は短し歩けよ乙女』はそれを一回解体して湯浅監督作品として上手く再構成されているなと。劇場作品の尺にまとめるっていうのはこういう大胆なことなんだなって思いました。

「森見登美彦先生の変化が一番見られる作品」!? 『有頂天家族2』プロデューサー&P.A.WORKS代表・堀川氏インタビューの画像9下鴨家四男・矢四郎(演:中原麻衣)

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