恋は脳が見せる錯覚。それでもいいから恋がしたい!──ドラマ『人は見た目が100パーセント』第3話レビュー

 おそらくは同じような考えであった3人は、考える。

「どういう時にこんなものを買おうと思うの?」

 その問いに上司の國木田(鈴木浩介)は言う。

「毎日頑張って仕事をしている自分へのご褒美よ!」

 そして、実際にブランドバッグを持っている女子たちも言うのだ。

「ブランド物を持っている自分が好き。結局は自己満足」

 そうなのだ。目的や理由はどうでもいい。自分に自信を持っていられるかどうか。城之内が憧れるのも、そんなところだ。

 都会でも自信を持って歩いていける、男性の前でも臆さず話ができる、思ったように堂々と恋ができる……。そこのハードルを超えるのが、彼女にとっては何より難しいのである。

 それは多分、理屈ではなく、自分の感情を優先させることから始まる。

「たとえ錯覚だと解っていても、脳が感情に支配されるのが恋」

 前田の言った言葉は真実だと思う。

 そうして、どうしても骨と筋肉だけに見えなくなった榊を見て、城之内は思い知る。

──私、恋をしている。

 こうして、ゆっくりではあるが、彼女の恋が動き出す。

 春から夏に近づき、開放的になっていくこの季節。トントンと先に進んでいくラブストーリーもいいかもしれい。

 だが、こうしてじっくりと育む恋心を追いかけるのドラマも悪くはないのではないだろうか。
(文=プレヤード)

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