『アリスと蔵六』5話 紗名、スニッカーズの袋をじいさんに開けてもらう、その手を握ったまま食べる

■望まない人間兵器

「トランプ」は、一人一種類しか持つことが出来ないらしい。もっとも紗名だけは「想像したらなんでも形にできる」と、飛び抜けて万能なので、完全に別もの。
 ミニーCは「旦那の腕を呼び出して操ることができる」、雫は「666の兵器と13の魔法書がおさめられた魔法の物置を使うことができる」。単純に考えて、雫の方が圧倒的に便利に見える。
ミニーC「私には、私にはこれだけしかないのに!」
 相手がじゃんじゃかいろんなもの出してきたら、がっかりしてしまうのはよく分かる。神よ、なぜこんな格差を与えたのですか。

 雫はそうは考えない。確かに雫の力は多彩で便利。歩く兵器庫だ。ちょっとしたテロを起こしたら簡単に成功させられるくらいの力はある。しかも1から10番は制御しきれないほどの力らしい。
 ただし、彼女の力は戦闘特化。
雫「もう人間兵器です。無茶苦茶ですよね。たぶんこれは、私たちの望みを叶えてくれるために現れるものではないんです」

 彼女は一度も、自分の望みのために力を使っていない。力による代償を知っているからだ。おそらく、内閣云々に入るまで色々あったんだろう。
 今まででほぼ唯一、理知的に力に向き合って生きている「アリスの夢」の雫。彼女にとって力は使うものではなく、制御するものだ。

■ストーカー山田のり子、行きます!

 インパクトがあったのは、一条雫が好きで好きでたまらない後輩、山田のり子の行動。彼女はすご腕ハッカーで、今回は雫のサポートとして大活躍をしている。
 のり子は雫(というか「アリスの夢」たち)の居場所を特定するシステムを一人で構築してしまったストーカーだ。怖い。

『アリスと蔵六』5話 紗名、スニッカーズの袋をじいさんに開けてもらう、その手を握ったまま食べる の画像3公式サイトより。ストーカーも極めれば能力になる。

 雫たちはのり子の能力を買って、正式な形で協力を仰いでいる。
 紗名が、蔵六に袋を開けてもらい、早苗に髪の毛を結ってもらうのと同じだろう。「任せる」というのは、相手への信頼あってこその思考だ。
「信頼」は、曖昧で形のないものだ。実際、仕事中の私語など人間性に関しては、雫は信頼はしていない様子。あくまで彼女の任務遂行のスキルへの信頼だ。
 そういうさじ加減のはっきりしない、感覚的なものを積み重ねて、ヒトは自分の形をつくる。

紗名「私は人間になりたい。人間っていうかもっとちゃんとした、ちゃんとしたものになりたい」
 大人になっても、「ちゃんとしたもの」にはなかなかなれない。一生かけて「ちゃんとしたもの」になろうと、努力し続けることが、「ちゃんとしたもの」なのかも。

 来週は「第2部放送直前特番」。総集編的な内容なのかな? 2部では紗名の髪型がどうなるか、気になります。

(文/たまごまご

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