史上最強の“ミリヲタ”か!? アメリカで最も重武装の民間人“ドラゴンマン”とは何者?

 銃を用いた犯罪が後を絶たず、銃規制問題に揺れるアメリカ。しかし、そんなことはどこ吹く風とばかりに壮大に本物の武器の数々をコレクションしているアメリカで最も重装備の民間人が話題だ。

1704_dragon_man.jpg「Smash」より。

■“アメリカで最も重武装の男”の軍事コレクションが公開

“アメリカで最も重武装の男”と自ら任じているのが「ドラゴンマン」こと、メル・バーンスタイン氏だ。合法的に所有している武器を含む軍用装備は3,000種類に及び、1キロ平方メートルという広大な敷地に建つ倉庫に収蔵され一部は私設ミュージアムにして一般にも公開している。

 コロラド州エル・パソ某所にあるこのドラゴンマンのプライベートコレクションには、200丁ものマシンガン、戦車などの88台の軍用車両、数百の手榴弾、爆弾やバズーカ砲、900体にも及ぶ各種制服や軍服姿のマネキン、あるいは旧日本軍の日本刀の数々なども収められている。第1次世界大戦からアフガニスタン戦争までの間に実際に使われた武器ばかりで、レプリカやモデルガンはひとつもないということだ。

 6,000平米を越える広さの私設ミュージアムのほうでは、テーマごとに分かりやすく展示されており、第1次大戦、第2次世界大戦、ベトナム戦争と戦争別のテーマから、これまでアメリカと対戦した国別の展示も行なわれている。初めての来訪者が全部くまなく見て回るのに2時間はかかるということだ。

 また敷地内には、射撃場やペイント弾射撃コース、第2次世界大戦時の塹壕を復元した施設や、「ナチスの部屋」もあるということだ。バーンスタイン氏はディーラーに適用されるクラス3の銃火器取り扱いライセンスを所持しているため、すべての武器について商談が可能なようである。博物館所蔵のコレクションの総額は11億円は下らないという。

“ドラゴンマン”自らが最近撮影したというプライベートコレクションを紹介する動画が、YouTubeに登場している。20分では収まりきらないほどの充実ぶりだ。

“ドラゴンマン”自らがコレクションを紹介。動画は「YouTube」より

■銃社会へ向けての彼なりのメッセージか

 動画の中であくまでも番外編のアイテムとして登場しているのが、ドラゴンのかま首を模した火炎放射器が装備された大型バイク、ハーレーダビッドソンの車両だ。実はこのハーレーこそが、彼を“ドラゴンマン”たらしめているものであるという。ちなみに火炎放射器のみならず、ハンドル部分には2丁のサブマシンガンが装備されているというからかなりの“凶悪”ぶりである。

 ニューヨーク州ブルックリン生まれのバーンスタイン氏だが、もともとは兄が経営するバイクショップで働いていたということで、このハーレーダビッドソンも彼によるカスタマイズだ。

 当時まだ徴兵制があったアメリカで、18歳で徴兵されたバーンスタイン氏は、テキサス州で整備などの任務に就いていたという。そして除隊後はバイカーキャング団に加わり、カラダのあちこちにタトゥーを入れると共に、後に配偶者となる女性にも出会うことになる。

 結婚してコロラド州に転居した夫妻は、1982年にこの地で銃器店をオープンして経営に乗り出す。店舗経営と夫婦生活は長らく順調であったのだが、2012年にテレビ番組の撮影に協力した際に、発煙弾の爆破事故が発生し、なんと最愛の妻が犠牲になってしまった。

「私は最高の友人を失ってしまった」と述懐するバーンスタイン氏の悲しみや計り知れないものがあっただろう。その後、バーンスタイン氏は銃器店を閉めて、ここを博物館にすることに決めて現在に到る。軍用装備品で妻を失った“ドラゴンマン”のミュージアムは、アメリカの銃社会に向けての彼なりのメッセージであるといえそうだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Smash
http://www.smash.com/dragon-man-most-armed-man-in-america/

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