信仰だけではない“楽しめる場”としての神社へ──宮司も期待を寄せる神田明神の新スポット「明神カフェ」

■破魔矢も売り切れる神田明神の参拝熱

 3月の中頃、和田から連絡が来た。

「明神カフェの件で、ご相談できませんか」

 ああ、これも和田のところが受けているのかと思った。その少し前から、何人かに「神田明神が、今度はカフェを始めるらしい」といった話は聞いていた。

 わずかの年月の間に、裏でひっそりと、様子をみながら行われていたアニメコラボは、神田明神の境内を埋め尽くしていた。あちこちに、アニメ調のポスターやのぼり、そして、甘味や餃子、お土産を販売する常設の屋台もできた。それと共に参拝客の数も目に見えて増えてきたのを感じた。平日であっても「今日は、なんのお祭りがあるのだろう」と勘違いするほどの賑わいを見せている。三が日はもちろん、仕事始めの1月4日になっても、いつになったらお賽銭箱が見えてくるのかわからない行列も風物詩になった。

 いつぞやは、松の内が明けてから、神札と一緒に破魔矢も頂こうとしたところ「売り切れなんです」といわれて驚いた。いまだかつて、破魔矢が売り切れた神社というのは、ほかに聞いたことがない。そんな賑わう神社に、カフェができると聞いても不思議ではなかった。

 よく聞くと、新しくできる明神カフェは神田明神が経営するわけではない。神田明神の所有する鳥居の横のビルに、和田がジェンコなどから出資を受けて新たに設立した明神カフェ株式会社が、テナントとして入居するということだった。

 鳥居の横のビルなのだから、神田明神も安心のできるテナントを求めていたのだろう。この数年の間に、和田はさまざまな形で神田明神に関わっていた。中でも、昨年初めて境内で開催された神田明神夏祭りには深く関わり、声優のライブなど、若い参拝客の興味をひくような仕掛けを数多く盛り込んでいた。それに連なる明神カフェは、アニメのコラボやイベントなども行うことができるスペースだという。

 江戸時代から、さまざまな催事で人を寄せていた神田明神。熱心に行われるアニメやマンガとのコラボは、その現代版なのだと思う。けれども、そこに神社の信仰はあるのだろうか。やはり、数年前の大みそかのことが気にかかった。だから、和田に話を聞いてみることにしようと思い、オープンの2日前に企画されたメディア向け内覧会へと足を運んだ。

■美味くて当然! 一流の食材が揃う店

信仰だけではない楽しめる場としての神社へ──宮司も期待を寄せる神田明神の新スポット「明神カフェ」の画像2
信仰だけではない楽しめる場としての神社へ──宮司も期待を寄せる神田明神の新スポット「明神カフェ」の画像3

 まずは、店の紹介を……。

 神田明神の狛犬をモチーフにしたロゴを掲げる明神カフェ。席数は48席。そのほか、VIPルームも準備されている。また、ホール内にはステージもあり、上映会やミニコンサートのようなイベントにも対応できるようになっている。

 コンセプトは「ビストロエンターテインメント」。とりわけ力を入れているのは料理で、麻布十番の人気料理店「エル ブランシュ」のオーナーシェフ・小川智寛氏が、料理を監修。「数カ月先まで予約がいっぱい」とグルメを扱うメディアでも注目される「肉山」や、会員制馬肉専門店「ローストホース」、銀座で北海道産の純血サフォークなどの上質な羊肉が人気の「ひつじ座」まで、有名店とのコラボした食材が集まっている。

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