『アリスと蔵六』4話 金髪美少女の「おもらし」への反応で己を試され、さらに銃で撃ち抜かれてネット騒然

――4話のおもらしシーンを受けて、タイムラインの感想を見たところ、多くの人の性癖踏み絵だったようです。キャラが名乗りをあげた瞬間エンディングに入るアニメが大好きなたまごまご『アリスと蔵六』(TOKYO MXほか)を全話レビューします。*ここまでのレビュー

『アリスと蔵六』4話 金髪美少女の「おもらし」への反応で己を試され、さらに銃で撃ち抜かれてネット騒然の画像1『アリスと蔵六』公式サイトより

4話「人でないモノ」「俺は曲がったことが大嫌いなんだ」の真意

 ミニーC「きたない」。原作:今井哲也、監督:桜美かつし、J.C.STAFF制作のアニメ。頑固爺さん・樫村蔵六(かしむら・ぞうろく/演:大塚明夫)の元にやってきた、妙な力を持つ少女・紗名(さな/演:大和田仁美)を巡る物語。
 誘拐された紗名を諭す蔵六の、安心感たるや。
 蔵六の口癖「俺は曲がったことが大嫌いなんだ」は、1話では正しくない行動を取った人間へのお叱りの言葉だった。今回「自分が我慢してまで考え方を曲げなくていいい、やりたいことを諦める必要はない」という、真意があったことが判明。
 大塚明夫ボイスで「俺は曲がったこと〜」と言ってくれる目覚まし時計が欲しいです。

■ミニーCと紗名と蔵六の考え方
 研究所絡みで、紗名を誘拐した”ミニーC”・タチバナ(演:能登麻美子)。彼女は紗名を縛り上げ、暴行を働く。
 限界まできた紗名がもがきながら口にしたことで、蔵六が車内に召喚された。蔵六は紗名がひどい目にあっているのを見て、激しく憤る。

 ミニーCは「紗名=赤の女王」を、人間ではない、という。紗名は自分が人間ではないばけもので、蔵六や早苗を巻き込んでしまったと知り、絶望。迷惑をかけたくないから研究所に帰ると、涙ながらに言い出す。
 しかし蔵六はそんな彼女に言う。

蔵六「なあ紗名、お前人じゃなかったって、それがなんなんだ。バカなことぬかすな。いいから一緒に帰るぞ」「お前が何者だろうが、しんどい時は誰かと一緒にいるもんだ、無理すんな」

■必要だった誘拐のあれこれ

 原作のミニーCによる誘拐シーン、ぼかすことなく全部やってくれた。
 ネットの反応を見ると、「よくやったな」「すごい」という声と「ひいた」「さすがにない」という声とで、反応は賛否両論。
 パッと見やさしい絵柄の、不穏な空気は控えめの作品だったので、残虐な流れはインパクト大だった。
 ただ、ミニーCの児童虐待行動は、どうしても削れない、今後を描く上でも必要なシーンだ。

 目と口を塞いで、彼女の力で身体を完全に押さえ込むのは、紗名に対して恐怖心を与えるためだった。想像すればなんでもできちゃう「赤の女王」である紗名には、未知の体験でおさえこむ。この「想像できない」「実は万能じゃない」ことは、後の展開に関わってくるはず。

 ミニーCが紗名の脚を平然と撃ち抜くのは、人間ではないこと、ケガくらい治してしまえることを表すため。
 彼女の「現象」への感覚と、蔵六から見た事態のえげつなさ、紗名の苦痛、全部を描くカットだ。

 薬物注射からのおもらし、そしてミニーCの「きたない」のセリフ。
 今まで紗名はかわいい服を着て、金髪美少女で、しかも能力でお風呂に入らなくても大丈夫、と「きれい」なところしかなかった。今回はおもらしが描かれたことで、紗名の「きれいじゃない部分」がはっきり出てきた。トイレのシーンはあったけれども、他人に「きたない」と言われたのははじめて。

 ネットのあちこちで「漏らすくらいなら人間と同じだ」という反応があったのが面白い。
 アニメの場合、表現の中に有機的な「汚れ」があると、一気に「生き物」らしくなる。

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