ゾンビに村を滅ばされないため……中世では実際に“ゾンビ封じ”が行なわれていた!

■中世にはもっとリアルにゾンビが怖れられていた

 研究者たちは最初、身体をバラバラにして埋葬する方法があまりにも無慈悲と感じられたためか、これらの遺体は別の地域からやってきた余所者たちではないかと考えていた。たとえば、村に略奪にやってきたものの返り討ちにあって処刑され、身体をバラバラにされて埋められたというようなことも考えられる。

 しかし頭蓋骨に残っていた歯を分析してみると、決してこれらの遺骸の主たちは余所者ではなく、この地で育っていたことが分かったのだ。歯のエナメル質は子ども時代にのみ形成されるため、生まれ育った場所は歯のエナメル質に含まれるストロンチウムを調べればある程度特定できるのである。

 同じ村の住人の埋葬するのに“仏さん”をどうしてこうも無残な姿にして弔っていたのか? そこで次に考えられたのは、作物の不作で村に飢饉が訪れた時期に、不気味過ぎる話ではあるが、人間の死体を食べたのではないかという説だ。

 肉を食べた場合はナイフなどで骨から肉を削り取るため、大きな骨の関節に近い部分に多くのナイフの傷跡が残るのが通例だが、見つかった骨にはそういった傷跡がないという。したがって、食べられたと考えるのはかなり不自然であるということだ。

「遺体が墓から出てきて歩き回らないようにするために、バラバラにされて焼かれたと考えたほうがつじつまがあうのです」と、人骨の専門家である生物学者のサイモン・メイズ氏は語っている。遺体がゾンビ化してよみがえらないように、入念に切断されていたということはこの時代、今よりももっとリアルにゾンビが怖れられていたのだろう。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Smash
http://www.smash.com/medieval-zombie-invasion/

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