ドーーン!! 現在放送中の『笑ゥせぇるすまんNEW』は、なぜ復活したのか!? シンエイ動画・荒木元道PDインタビュー!

―― 打ち合わせなどを重ねる中で、監督との会話で印象に残ったエピソードなどはありますか? 制作スタッフさんとしてはすごく楽しそうですけど、同時にすごくプレッシャーも感じる作品ではないかなと思うのですが。

荒木 それは監督に限らず、スタッフも主演の玄田(哲章)さんも、関係者の皆がプレッシャーを感じながらやっていると思うんです。『笑ゥせぇるすまん』を放送するぞとなったら、やっぱり皆さんかなり期待してくれるだろうと思いますから。

 本当にプレッシャーは半端ではないのですが、でも監督は結構それを楽しんでいる感じがありますね。「まぁ何とかなるだろ」と、いい意味で開き直っているというか(笑)。

―― その玄田さん演じる新しい喪黒福造については?

荒木 玄田さんにお願いするとなった時点でもう間違いないだろうなと。これはご覧になられた方も同じように感じられたと思いますけど、(先代の故・大平透氏と)全く同じではないんだけれども、玄田さんの喪黒がしっかりと確立されているのに、違和感を覚えない。また玄田さんの「ドーーン!!」は重低音で、すごく力強くて。大平さんの喪黒とはまた違った魅力を引き出してくれていると思います。

ドーーン!! 現在放送中の『笑ゥせぇるすまんNEW』は、なぜ復活したのか!? シンエイ動画・荒木元道PDインタビュー!の画像4第1夜「ご利用は計画的に」より

■「わかりやすいハッピーエンドが存在しないのが『笑ゥせぇるすまん』」

―― 「第1夜」の2エピソードを振り返っていただけませんか。

荒木 「白昼夢」は原作ものなので、基本的には忠実にやっていますが、監督も作画監督たちもかなり見せ方にはこだわって描いてくれました。あとビールやお酒もかなりディテールにこだわって描いてます。何度も描き直して仕上げたところなので、ご注目いただければと(笑)。

「ご利用は計画的に」はアニメのオリジナル。これは旧作にはあまりないタイプの作品なんです。というのもクレジットカードが元になっていること、そして主人公が女性であること。実は旧作では女性キャラクターが主人公というエピソードはほとんどなくて、多分原作でも皆無に近いぐらい珍しいんですよ。

 それを28年ぶりに新作『笑ゥせぇるすまんNEW』を作るとなったときに、一回目の放送でこのエピソードがあるというのは、実は相当インパクトが強いことなんです。

―― この2エピソードに限らず『笑ゥせぇるすまん』の各エピソードはオチが鮮やかで、毎回楽しみです。

荒木 そうですね。これがまた、他人には不幸にしか見えないけど、実はハッピーエンドというエピソードもありますよね。客観的に見ると全然ハッピーには見えないけど、ぼろぼろになっているけど、本人的にはハッピーエンドだったりする……わかりやすいハッピーエンドが存在しないというのが『笑ゥせぇるすまん』の特徴の一つだと思います。

―― ストーリー以外で、制作で苦労したのはどんなところですか?

荒木 やはり内容面で、携わってみないと気づけなかったことが数多くあったんですよ。たとえば主人公=クライアントと喪黒の出会い方や、2人の距離感であったり。そういうところがやっぱり難しかったですね。

 あとは毎回のオチ、落とし方・落とされ方も難しくて。何でも有りなように見えるけど、実は全然そんなことはないんです。随所に先生のこだわりであるとか、バランスが存在していますので。そこをつかむまでが一番苦労したところかと思いますね。

―― そのあたりのバランスも旧作は素晴らしかったと思うんですが、当時制作に関わっていたスタッフさんというのは、シンエイ動画さん内にいらっしゃるんですか?

荒木 いえ、やはり時間が経っていますから、ほぼほぼリタイアされていらっしゃっていて……でも当時のプロデューサーだったOBの方には、電話で相談をさせていただいたりしましたね。

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