■やっぱり最新のCGと本格的なアクションがこの作品の売り(桐山)
―― その撮影の現場で指揮をとる山口雄大監督とは、どんなお話をされたんですか?
広井 山口監督とは、「作品をどういう風にしたい」「こういうキャラクターにしてほしい」という話をずっとしていました。また、早くから撮った映像は見せてもらっていたので、「こう撮ったならこうしよう」と、みんなでさらに脚本に手をつけたりしています。随分追加で修正しているんですよ(笑)。「ちょっとコレだと弱いな」とか、「もう一言あったほうがよかったね」とか、そういうのを後ろから入れ直したりしている作業です。でもオリジナルだからこそできる作業ですよね。演じ手と作り手がお互いに刺激しあっているというか。
―― 桐山さん演じられていて、印象的なシーンなどはありますか?
桐山 ミラージュが“森山真一”である時の、鐘ヶ淵豊(萩原聖人)とのお芝居が印象的です。人と接するのが苦手な真一だけど、鐘ヶ淵さんとのやりとりを見ていると、不器用な人間ながらも、この人には結構懐いているんだなと。この間、鐘ヶ淵さんとのシーンをずっと撮っていたんですけど、とっても新鮮で。監督とそのシーンについて話した時、ミラージュのままだと面白みがなくなるということで、兄弟のような雰囲気で、というアドバイスを頂いたんですよ。
殺しのシーンが多い作品の中で、一つの息抜きの場と言いますか、リラックスして見れる、ほっこりするようなシーンになればいいかな、と監督と話していて。素に近いというか、“弟感”を大切にって話し合いながら演じることができました。普段僕マイクつけてもらえないんですよ、ミラージュがしゃべらないから(笑)。なので鐘ヶ淵さんとのシーンは新鮮ですよね。
広井 大変だと思いますよ。相棒である車はAIだし、情報くれるドブネズミ(佐野ひなこ)も監獄にいるので音声だけなので。会ったことがないですから。御崎蔵人(要潤)とも基本会わないし。会っているのって鐘ヶ淵だけ。ミラージュの好物であるアジフライ屋さんでも、アジフライを食べるだけでほとんどしゃべらないし(笑)。
桐山 寂しかったですね。孤独でした(笑)。
―― 収録もほとんど一人だったんですか?
桐山 本当に一人でした……。セリフもほぼなくて……。その分、「……」に命かけました。
広井 逆に大変だよね。表情だけでお芝居をしなくちゃいけない。
桐山 しゃべんない時に、いかに目で語るかってのを心がけていましたね。
―― 次は「共演のみなさんとのエピソード」を聞こうと思っていたんですけど(笑)。
桐山 要さんは何度か現場でお会いしたんですけど、ひなこちゃんに関しては、製作発表記者会見があった日に一緒に食べたお昼がほぼ初対面でした(笑)。
広井 ひなこちゃん演じるドブネズミは、一方的にミラージュに恋をしているんですよ。ソネット社会と言いますか、そういう恋と似ていますよね。
―― どういう人がわからないままっていう。
広井 そして彼女は天才ですから、すべてを見ることができます。街頭にあるカメラはハッキングして全部見られるし、銀行にあるAIも見られるし、携帯もハッキングして見られる。
桐山 付き合ったら浮気できないですね。
広井 そう(笑)。全部見ているから、とんでもないですね。
―― そうなると、鐘ヶ淵との掛け合いが見どころになっていくんですかね。
桐山 そこもやっぱり大事にしていますけど、むしろ見どころは全体の世界観ですかね。面白い脚本、世界観を用意してくださったので、いかに僕らが現場できちんとやっていくかだと思っています。
あとは、やっぱり最新のCGと本格的なアクションがこの作品の売りでもあるので、アクションシーンは毎回楽しみにしてほしいです。銃だけで殺していくわけでもないし、時には銃が奪われるときもあります。基本的に瞬殺なんですけど、中には手強い敵もいたりして。ミラージュが苦戦するところもあるので、そういうバトルもこの作品の見どころなっていくんですよ。本当に面白い敵がいっぱい出てきます。
―― ガンアクションのトレーニングもしたんですか?
桐山 かなりってほどじゃないんですけど、この作品のお話をいただいてからクランクインまでに1カ月あったので、アクション監督である園村健介さんの“園塾”に入塾しないと、毎日やっていかないとヤバいなと思って。
アクションシーンがある作品は、これまでにも何作かやってきたんですけど、それまでのを全部捨てて、イチから叩き込んでもらいました。きちんとプロの動きに見えるように準備させてもらえたんで、現場でもすぐ対応できたのでよかったなと思います。
広井 撃つだけじゃなくて、「システマ」っていうロシアの格闘術をベースに作ってとオーダーしました。至近距離で瞬殺する姿は相当カッコいいですよ。
―― 映像を見させてもらったんですけど、サイレンサーを付けて撃ったり、派手な動きも控えめで、リアルなガンアクションに寄せている印象でした。
広井 基本的にはヘッドショットで、出来ない時には足を撃って倒したところ、頭を撃つ、二発で行けっていう。それがプロの仕事ですから。胸を撃つのは混戦した時にしょうがなくという感じに。
―― 一見すると地味に見えるかもしれないけど、桐山さんがかっこよくやっていたなと。
広井 そうですね。そのあたりのアクションは結構リアルにやっています。今までの刑事ドラマにはなかった要素です。どうしてもそこがやりたかったんです。プロは弾数を数えているので、残りの弾数も意識して戦っている。そういうことをきちんと訓練されたミラージュに対し、それを上回る強敵が来るので面白いと思います。
演じ手と作り手が語るドラマ『コードネームミラージュ』の魅力――主演・桐山漣&原作・広井王子インタビュー!のページです。おたぽるは、インタビュー、特撮、その他、桐山漣、インタビュー、コードネームミラージュ、広井王子の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載