裏話満載!『AKIBA’S TRIP-THE ANIMATION-』制作Pインタビュー(後編)

裏話満載!『AKIBAS TRIP-THE ANIMATION-』制作Pインタビュー(後編)の画像44話「無線HAMファイターズ」劇中カット

――スタッフそれぞれがこだわる部分が違ったんですね。

奥山 そうですね。でも4話の電波回は詳しい人がスタッフのなかに一人もいなくて、こだわろうにもこだわれず。なので芝浦工業大学のアマチュア無線部の齋木さんに「教えていただけませんか」とメールを送りました(笑)。すると快く了承していただけたので、スタッフを連れて芝浦工業大学に行き、アンテナや受信機を見せてもらったり、実際にモールス信号を打っているところを見せてもらったりして、制作したシナリオやコンテも監修してもらったんです。最終的にはアフレコ会場にも来てもらって、言葉尻からなにからなにまで、モールス信号の音の聞こえ方とかも全部監修してもらいましたね(笑)。劇中の無線の声を演じてもらったりもしました。取り扱っているネタがすごくコアなので、強いこだわりがあるであろうその道の人たちが見ても「よく出来てるね」って言ってもらえるような話数になっているかと思います。

 ちなみに演出のスタッフがこのエピソードをきっかけにモールス信号とかも調べまくっていて。モールス信号って単音と長音を出すじゃないですか。でも押しているとその間はずっとその短音なり長音なりを同じ間隔で出し続けるんだそうです。つまりSEでカチャって音が入るときはその切り替えのタイミングだから、短音を押しているときにはカチャカチャ言わない……という点をDVDリテイクで直しました。比べてもらえれば、カチャカチャ言ってないのがわかると思いますよ(笑)。

■背景やモブに至るまで、思いと遊び心が込められた演出の数々に監督の手腕が光る!

――どのエピソードを見ても完成度が高くて、8話のプロレス回にしても、むしろ「ここまで入れるか!?」と感じました(笑)。

奥山 プロレスネタは、池畠監督と脚本の佐藤(裕)さんがWWEを大好きだったので、二人がゲラゲラ笑いながらどんどん盛り込んでいきました(笑)。本当は「それアキバ関係ありますか?」って言うべきかもしれませんが(笑)。プロレス回は、7話のブラックバイト回とあわせて池畠監督の趣味全開の回です。ブラックバイトも秋葉原には関係ないんですけどね(笑)。

裏話満載!『AKIBAS TRIP-THE ANIMATION-』制作Pインタビュー(後編)の画像57話「無理というのはウソつきの言葉」劇中カット

――ちなみにブラックバイト回の社長のモデルは……?

奥山 石川社長っぽい黒井勤(演:高木渉)です(笑)。けして石川社長ではありませんよ(笑)。社会派な話題ということで、ブラックバイトは池畠監督が「どうしても入れたい」と。「若い人がブラックな会社で働いているのは嫌。どんどん健全化していきたいと思っているけど、アニメ業界も見方によってはけっこうブラック。どうすることもできないこともあるけど……」って(笑)。池畠監督のメッセージとしてはこの話が一番強かったですね。ほかはノリでやっていますが、この回だけはそういう思いが込められています。

 各話のネタ出しに関してはこういった具合で、ネット事情に明るい池畠監督を筆頭に、各々のスタッフが要所要所で自分の得意なネタをやってくれたという感じです。

 10話のグルメ回では、主人公の伝木凱タモツ(演:石谷春貴)と万世架まとめ(演:高橋李依)がデートをするという話で、視聴者に「俺は彼女いないのにこいつにはできやがってクソー!」って思ってもらうことが池畠監督のやりたかったことでした。

裏話満載!『AKIBAS TRIP-THE ANIMATION-』制作Pインタビュー(後編)の画像610話「幽門開いてしまったのですか?!」劇中カット

――“オタクあるある”にうまく落とし込んで、監督自身がやりたいこともやりつつ、デートもしつつ、秋葉原グルメも紹介しながら全13話を描ききったわけですね。

奥山 そうですね。グルメ紹介もやりつつ、落語の『そば清』もやりつつ(笑)。ちなみにシャツの文字にもゴンゾの自虐ネタが隠されています(笑)。

裏話満載!『AKIBA’S TRIP-THE ANIMATION-』制作Pインタビュー(後編)のページです。おたぽるは、インタビューアニメ話題・騒動の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!