【アニメレビュー】「これは私んだ」――とにかく小林さんが格好いい! 男らしい!!『小林さんちのメイドラドン』最終話

1704_maidora13.jpgTVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』公式サイトより

 人間とドラゴンの異種間コミュニケーションを、可愛くほっこり描いてきた『小林さんちのメイドラゴン』(作:クール教信者、双葉社/ABC朝日放送ほか)もいよいよ最終回。原作コミックを読んでいるファンの多くが察していたように、単行本2巻ラストのエピソードをもとにした物語が展開したが、原作からかなりボリュームアップ。いい具合の改変に、アニメから入ったファンも原作ファンからも、「感動した!」という声が挙がっている第13話「終焉帝、来る!(気がつけば最終回です)」を紹介したい。

 穏やかな休日を過ごしていた小林さん一家。カンナちゃんは才川と遊ぶ約束があると出かけ、残った小林さんとトールはまったりとした時間を送っていた。ところが夕飯の買い物に出かけた際、トールはふと己に問いかけるのだ――「いつまで、こんなことをしているつもりなの?」「もし――小林さんが死んでしまったら……?」と。

 強大な力を持つドラゴンたち。ハッキリとは描かれていないが寿命も人間よりもはるかに長いようだ(原作コミックでは「ドラゴンはこの星が終わるまで生きていられるのに」とある)。思い悩むトール、そこへ新たなドラゴン=トールの父・終焉帝が登場。

 コタツに入ってすっかりリラックスしている小林さん、そんな彼女のためにコーヒーを入れるトール、才川と一緒に公園で過ごすカンナちゃんの様子など、序盤の日常をこれでもかと丁寧に描いた序盤から、トールの独白から始まる展開の落差が凄まじく効く。

 ここまで散々伏線を貼ってきた“トールの居場所、家族観”という『小林さんちのメイドラゴン』のメインテーマに加え、古くから妖怪やファンタジー世界を取り扱ってきた作品でよく取りざたされてきた“種族間の寿命の違い”というテーマをブッ込んできた。

 多少氷解してきたように見えるが、基本的には小林さん以外の人間をさほど重要視しないトール。人間界における居場所=小林さんちなのだ。小林さん(カンナちゃん含めて)との深い信頼関係を築いたからこそ、そしてその小林さんはほぼ必ずトールよりも先に死んでしまうからこそ、トールの苦悩は深い。そんなトールを飲み込み、姿を消す終焉帝。

 トールが姿を消し、戻ってこないことをカンナちゃんから告げられた小林さん。珍しく動揺する姿を見せるも、ただの人間である彼女にはどうすることもできない。カンナちゃんとの2人での生活を淡々と過ごしていく――このトールが姿を消した後の一連のシーンは、表面には出さないものの小林さんが焦りや不安を覚えていることが表現されていて、原作にはないエピソードだが非常に良くできていていた。上手な“一人暮らしあるある”になっていたのも、地味にポイントが高いが。

小林さんちのメイドラゴン(2)

小林さんちのメイドラゴン(2)

カンナちゃんを可愛く描くんだ! そんな執念も感じました

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