『アリスと蔵六』1話 思てたんと違う! TL騒然、お姫様ドレス少女の逃亡劇

――じいさんの頑固でやさしいゲンコツは、少女に届くのか。さまざまな女の子の出てくるマンガを収集し、アニメを観賞しまくるコンテンツの鬼、たまごまごが全話レビューします。原作との違いもおさえていくよ!

『アリスと蔵六』1話 思てたんと違う! TL騒然、お姫様ドレス少女の逃亡劇の画像1TVアニメ『アリスと蔵六』公式サイトより

1話「赤の女王、逃げる」は1時間スペシャル!

 「俺は曲がったことが大嫌いなんだ」。原作・今井哲也(徳間書店)、監督・桜美かつし、J.C.STAFF制作のアニメ(公式サイト)。頑固爺さん・樫村蔵六(かしむら・ぞうろく/演:大塚明夫)の元にやってきた、妙な力を持つ少女・紗名(さな/演:大和田仁美)を巡る物語。第一話は1時間スペシャル。Twitterのタイムラインを見ていると「ハートフルストーリーだと思ってたら違う」と言う声がちらほら。名作劇場のような、そうでもないような。

■いきなりのナイス改変

 深夜雨の中、シャツ一枚で「研究所」から逃げだした少女・紗名。通称「赤の女王」。それを追う怪しげな人たち。
 冒頭からいきなりのアクションシーン。原作一話は蔵六がヤクザのとの取引後、コンビニで紗名と出会うシーンからはじまるので、大幅な改変だ。

『アリスと蔵六』は、複雑な過去を背負ったキャラが多い。人物の生き方や視点を一つずつ描いていくのが、原作のおいしいところ。ただ、アニメでそれを全部やるとなると、各々のキャラの登場まで時間がかかってしまう。今回1時間放送にして、最初に主要キャラをチラ見せしたのは、ナイス改変!
 中でもミニー・C・タチバナの操る、でかくて毛モサモサの腕が目立つのなんの。登場人物の特殊能力は、この話のキモ。だが紗名の力は「イメージしたものならなんでもあり」と、かなりわかりづらいので、見た目からわかりやすいこれを最初に持ってきたのは、うまい。

■ゲンコツでできること

 少女と大人がメインで出て来る作品の多くは「純粋な子供に出会って大人が成長する」話と「大人に出会った子どもが成長していく話」比重を調節しながら、物語が組み立てられる。
 このアニメの第一話は、後者極振り。頑固爺さんが何も知らない子どもに、道徳教育をしている。

 人前で、迷惑を考えずに能力を使い、めちゃくちゃにした雛霧あさひ(双子の姉・鎖のついたものはなんでも呼び出せる)と雛霧よなが(双子の妹・弓矢を自由に操る)。そして紗名。初対面の子ども、三人の頭をわしづかみにして、ゲンコツ。
 蔵六が最も重んじているのは、自分自身で「曲がった」ことに気づけるかどうか。
 コンビニで、紗名は蔵六の名前や生年月日など、プライバシーを読み取った。そのあとに取引を持ちかけた。

 紗名「お前、今から私と取引しないか? 取引すれば願い事をなんでも叶えてやるぞ!」

 蔵六はそれを「脅迫」だと言う。紗名は「そんなつもりじゃない」と言うが、結果脅迫になってしまったことに違いはない。彼女は自分で気づけていない。
 人の集まる場所に「力を使ってみろ」という。「辺り一面血の海だ」と言われて、紗名はたじろぐ。
 蔵六のしつけ方は、無理やりな押し付けがない。紗名の中に良心があることを信じて、会話をして、自分で考えさせる。

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