『クズの本懐』第9話 パンツ下ろしたのに! なんかエロシーン減ってない!? その代わりに……

『クズの本懐』第9話 パンツ下ろしたのに! なんかエロシーン減ってない!? その代わりに……の画像1『クズの本懐』公式HPより

 前回あたりからエロ分がだいぶ少なくなってきた今期ノイタミナ枠『クズの本懐』(フジテレビ系)。BPOさんには「アニメ番組を子どもと見ていたら濃厚なキスシーンがあった(中略)時間帯も考え、このようなシーンがあるのなら事前に視聴者に分かるようにしてほしい」などという意見も寄せられているようですが、夜中1時の番組に何を言ってるのかと。寝ろよと。そんなわけで第9話は、失恋した花火(CV:安済知佳)が、親友のえっちゃん(CV:戸松遥)に誘われて軽井沢の別荘に旅行に行くお話。

 大好きだった“お兄ちゃん”こと鐘井先生(CV:野島健児)に告白して玉砕した花火は、同時に「まだ始まってもなかった」麦(CV:島崎信長)との関係も失ってしまいました。同じ日に、茜先生(CV:豊崎愛生)に告白した麦とは、お互い「フラれた同士」で会う約束をしていましたが、麦はそのまま茜先生とホテルにイン。そして茜先生にイン。花火には、次の日の夕方になって「ごめんね」とLINEを寄越しただけでした。

 そういうわけで“2人分の失恋旅行”に来た花火ですが、相手は、親友でありつつ花火に恋をしている女のコ・えっちゃんですので、これまたややこしいことになってしまいます。

 軽井沢に着くなり、えっちゃんは「私たちのこと誰も知ってる人いない」という理由で手を握ってきたりなど。2人きりの旅行とあって、かなり積極的です。

 しかし別荘に着いてみると、えっちゃんに一途な思いを寄せる篤也(CV:浅沼晋太郎)の姿が。聞けば、えっちゃんの実家に電話して旅行のことを知り、先回りしていたそうです。さらにややこしい……。

 ややこしくても、やることはやるのがえっちゃんです。篤也がひとつ屋根の下にいるにもかかわらず、花火のベッドにもぐりこむと、さっそく花火のお腹にキス。「身体、熱い……」などとピロートークをスタートさせたので、自然と見ているこちらも、パンツを下ろすことに。

花火「今日、するの?」
えっちゃん「うん、するよ」

 という煽情的な会話もあったりしますが、2人のレズプレイはイマイチ描写されず。さっき下ろしたパンツを履き直しました。

 さて、えっちゃんはこの旅行をひとつの節目にすると決めていました。そして花火の方も、篤也に「この旅行中に早苗(えっちゃんのフルネームは絵鳩早苗という)に対する気持ちだけ決めて」と釘を刺されたこともあり、なんらかの結論を出さなければいけない気持ちになっています。

 そんな2人が、アウトレットで大量に買い物をしたり、えっちゃんからキスしたり、花火からもキスしたりと、複雑な感情を仕舞い込んで旅行を楽しんでいます。まるで、もうすぐ訪れる決定的な瞬間のことを、ひとときでも忘れたいと、そういう努力をしているような、笑顔があふれる切ないシーンです。

 その夜、花火がふと“お兄ちゃん”を思い出して泣きそうになってしまったとき、それは始まりました。

 えっちゃんは、「花火がきちんと失恋して、それでも私のことそういうふうに見なかったら、そのときは花火から離れよう」と決めていました。

「今まで、付き合わせてごめんね、ありがとう」

 そう言って、えっちゃんは花火と“絶縁”する決意を告げます。

 しかし、もともと2人がキスとか手マンとかするような関係になったのは、花火がえっちゃんの好意につけこんで寂しさを紛らわすために利用したからでした。お兄ちゃんにはもちろんしてもらえなくて、麦にもなんとなくしてもらえない日に、えっちゃんにしてもらっていたのでした。

 そんな心優しいえっちゃんに、花火は言います。

「私と友だちでいて!」

 まあ、なんと残酷な。

 でも、えっちゃんはいいやつなので、「まだすごく好きだから、いつになるかわからないけど」と言いつつ、頑張って友だちになることにしました。

 降り注ぐ雨の中、2人はたぶん最後になるであろうキスをします。

「忘れなきゃいけないのに、忘れたくない味がした」

 2人とも、このときだけは同じ思いだったようです。なんか、えっちゃんがそう思うのはいいけど、花火がそう思うのはどうなんだよという感じがしますが、基本、このアニメは「おまえがそう思ったり、そうしたり、そう言ったりするのはどうなんだよ」の繰り返しであり、それが別にイヤな感じじゃなく伝わってくるところが特徴だったりするので、このときもイヤな感じはしませんでした。

 前回から、エロシーンというか、肉体的な交わりを表現するシーンが減った『クズの本懐』ですが、それと反比例するように登場人物たちの精神的な交わりが描写されるようになりました。ずっと隠してきた、あるいは誤魔化してきた自分たちの気持ちを、他人と交わらせることで、停滞してきた関係性を前に進める段階にきたようです。

 そういうのって、普通に考えると肉体的な交わりより先に訪れる局面な気もしますが、これが現代的なリアルなんですかね。それとも、モテ世界では昔からこうだったんですかね。わかりませんね。

 そんな中、あいかわらずなのが“ビッチ先生”こと茜さんです。今日も今日とて麦ちゃんを誘惑し、ハメハメしています。美巨乳です。「ほら、言って、先生って」とAVさながらのセリフもありました。

 やっぱり頼りになるのは茜さんしかいません。ようやく目的を果たせるわ、とパンツを下ろしたところで、エンディングになってしまいましたよ……。

 というわけで、花火のほうはいろいろ気持ちの整理がついてしまったようです。モヤモヤの解決がまったく見えてないのが、茜さんと麦ちゃん。それに、いちおう茜さんと一発ヤッて、付き合ってることになってるはずの鐘井先生です。

 時期的にみて、あと2話かな。あいかわらずの茜さんと、ひと皮むけた花火が対峙しやすい配置になったので、最終局面が実に楽しみです。パンツは履き直しました。
(文=新越谷ノリヲ)

クズの本懐

クズの本懐

原作に追いついてきたよー

『クズの本懐』第9話 パンツ下ろしたのに! なんかエロシーン減ってない!? その代わりに……のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!