『クズの本懐』2カ月連続!? 『妖怪ウォッチ』『カオチャ』にも？ 2017年2月・BPOに苦情が入ったアニメたち

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「放送倫理・番組向上機構（BPO）」公式サイトより。

　放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関・BPO（放送倫理・番組向上機構）が、8日に「2017年2月に視聴者から寄せられた意見」を公開した。

　今回は、速水もこみち×オリーブオイルでおなじみの『ZIP！』（日本テレビ系）の人気コーナー「MOCO’Sキッチン」にまさかのご意見が寄せられ、大きな話題に。「朝の情報番組に、人気俳優の出ている料理コーナーがある。そこで使われているオリーブオイルの量は、料理一品に対して多すぎるのではないか」――「今さら？」と感じる内容な気もするが……。

　そんな予想外の苦情が入る一方、2月はTVアニメに対する意見も散見された。

　まずは、「性的表現」に関する意見から。

「アニメ番組を子どもと見ていたら濃厚なキスシーンがあった。子どもも戸惑っており、見せてしまったことに対して罪悪感が生じた。我が家では夜9時以降の番組はあまり子どもに見せないように気を付けている。番組自体は悪い番組ではないと思うが、時間帯も考え、このようなシーンがあるのなら事前に視聴者に分かるようにしてほしい」

　2月放送のアニメで“濃厚なキスシーン”と聞けば、フジテレビのノイタミナ枠で放送中の『クズの本懐』を連想する人が多いだろう。『クズの本懐』は1月に引き続き、キスシーンに対し苦情が入る形となった。しかし、『クズの本懐』と言えば、キスシーンだけでなく“その先”の描写もなかなかエロいのだが。一応、「悪い番組ではない」と評価している点は興味深い。

　そして、続けて「表現・演出」に関しては、こんなご意見。

「主人公が小学生のアニメ番組で、いつもと異なる画風や設定で放送されたコーナーがあったが、主人公やキャラクターの言葉遣いがひどかった。子どもに人気の番組であり、悪影響がないか心配だ」

　これはおそらくBPO常連になりつつある『妖怪ウォッチ』（テレビ東京系）に対する意見だろう。2月放送の『妖怪ウォッチ』では、「黒い妖怪ウォッチ ～導かれしクズたち～」と題された短編を数回放送している。この短編は、意見のとおりいつもとは違う作風・作画で描かれている。

　見てみると、クズになった主人公・ケータや妙にドスのきいたジバニャンが「クソ」「うっぜえ」「てめえ」といった言葉を吐いている。いつも以上にブラックユーモアな内容に当初から「BPOに苦情が入りそう」といった声があったが、本当にそのとおりになってしまったようだ。

　最後は、「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見。

「深夜帯のアニメ番組での死体の表現がグロテスク過ぎる。最近の子どもは寝る時間が遅いので、偶然このようなシーンを目にしてしまうことも考えられる。小さい子どもにはトラウマになりかねない表現なので注意してほしい」

　この意見は、アニメ『CHAOS;CHILD』（TOKYO MXほか）に対してなのでは、という声が上がっている。ゲーム原作の本作だが、アニメでも規制ギリギリのラインで殺人や死体を描いていた。おまけに、2月23日放送の第7話では、女の子がバラバラにされて箱詰めにされるというシーンが。

　だが、その狂気さが『CHAOS;CHILD』の魅力でもある。ご意見でも一応は触れているが、25時35分放送とド深夜放送なのに……とアニメファンならずとも感じてしまう。

　そんな意見が並ぶ中、「要望・提言」を見ると、「最近、規制が多くてテレビがつまらなくなってきている。ゴールデンタイムはともかく深夜番組にも批判が寄せられている。確かに子どもが見る時間帯や家族がそろって視聴するような時間帯で過激な暴力シーンや性的なシーンがあるのは良くないと思うが、もう少し寛容でもいいのではないか。視聴者からの意見も大事にしてほしいが、苦情を寄せる一部の人の意見に影響を受け過ぎているように感じる」という声が。

　こういった冷静な意見もBPOに寄せられているのを見ると、アニメファン的には心が救わる気持ちになる。この意見のとおり、もう少し寛容な目で見てほしいものだ。