永井豪も絶賛のイタリア版『鋼鉄ジーグ』とは? 水木一郎アニキのライブにも影響か!?

2017.03.11

映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』公式サイトより。

 かつての名作マンガやアニメを原作に、実写映画としてリメイク――そんな企画から邦画ではここ数年、何本かのヒット作が生まれているが、かつて日本で大ヒットしたTVアニメをリメイクした実写映画がイタリアで制作され、日本でも上映が決まった注目作がある。『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(今年5月公開予定)だ。

 TVアニメ『鋼鉄ジーグ』といえば、1975年、巨匠・永井豪氏が生み出したロボットアニメ。当時、この作品がほかのロボットものと違った点といえば、主人公の司馬宙(しば・ひろし)がサイボーグ化され、自身が鋼鉄ジーグという巨大ロボットの頭部に変身、日本の支配をもくろむ邪魔大王国(じゃまだいおうこく)と戦うという、当時はまだ珍しかった合体巨大ロボット化ものであること。

 一方、時を経て海を渡ってやってきた映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』といえば、2016年のイタリア映画祭で新人監督賞、プロデューサー賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞と7冠を獲得するという快挙を成し遂げ、日本でもニュースとなった。そんな本作の最速先行上映会が今月6日に開催され、日本でもお披露目されたというのだが、鑑賞したという40代男性が本作の出来についてこう話す。

「本編には鋼鉄ジーグのTVアニメの映像が登場しますが、本編ではメカが登場することはない、リアル寄りな作品です。イタリアンマフィアのチンピラ主人公が、突如超人的な力を手に入れ、そのタイミングで出会った精神を病んでいるヒロインが『鋼鉄ジーグ』が大好き。その映像などを見たり熱弁、喜びや悲しみを経ていくうちに正義の味方=鋼鉄ジーグの主人公・司馬宙のような正義の精神に目覚めていくというインスパイアもので、アクションと人間ドラマがバランス良く配置されているなと思いました。

 エンディングはかつて水木一郎アニキが歌った『鋼鉄ジーグのうた』のバラードバージョン。メロディーラインはそのままですが、歌詞はまったく違うもの。しかし、永井さんの“正義の心”の部分はちゃんと伝わってくるもので、作品の余韻もあいまって感動的でした。こういった作品だと、原作の設定だけ使って中身はまったく違ってファンから怒りの声が上がるということがよくある感じですが、この作品はメカこそ出てこなくても、観ているうちに、その下に流れている精神の根底は同じということが感じられ、それが海外でも理解されていたということにも感慨深いものがありました」

 さらに、この最速先行上映会にはガブリエーレ・マイネッティ監督、永井氏、水木氏も会場に駆けつけるなかでのものとなっていたという。

「永井さんも作品を観たそうですが、その感想としては『人間味あふれる作品でそういう映画ができている』と絶賛していたり、『30年以上前に作ったものが浸透していったのがうれしい』と、その出来栄えに満足といったようでした。水木アニキもイタリアは『子供の頃から好きな国で、僕らあだ名イタリアーノといわれるんですよ』と意外なあだ名を話されてたり、作品のエンディングのバラードバージョンも『これがもうマッチしていて! 今度ライブでギターバラードでジーグを歌ってみたい』と取り入れたくなったほどだそうですよ」(前出の40代男性)

 そんな本作を作ったマイネッティ監督はこんな人物だったという。

「上映終了後にはマイネッティ監督によるティーチインが開催されました。イタリア映画祭まで作品を観に行ったという熱心なファンもいるなか、日本のどんなアニメ作品が好きなのかという質問も上がっていたのですが、『ルパン三世』『タイガーマスク』『北斗の拳』『デビルマン』といったタイトルを挙げていたり、日本の映画監督でも、北野武監督、三池崇史監督、中島哲也監督が好きだと挙げていました。

 そんななか、本作に第2部があるとすれば永井さんのカメオ出演は? という質問も上がっていたのですが『もし作れるとなったらいいかも』と、乗り気だったり、日本で撮影は? ということにも『できたらすごくいいですね(笑)』と、リップサービスではなく前向きな姿勢を見せていましたよ」(前出の40代男性)

『鋼鉄ジーグ』を知らなくても楽しめそうな本作だが、日本公開後はどんな反響が出るのだろうか? 今から5月の公開が気になるところだろう。

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