【ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」第10回】

退団された花乃まりあさまが歌う「顎で受けなさい」に、けなげに生きる女の、死への覚悟を学ぶ。

退団された花乃まりあさまが歌う「顎で受けなさい」に、けなげに生きる女の、死への覚悟を学ぶ。の画像12013年5月の梅田芸術劇場での月組公演ポスター。ビル役は龍真咲、サリー役は愛希れいか。

――宝塚ヲタの女医、wojo(ヲジョ)が宝塚の名曲を皆様にご紹介! ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」!!

【第10回】
「顎で受けなさい」(ミュージカル『ミー・アンド・マイ・ガール』より)

 宝塚での初演は1987年の月組で、この曲を歌うサリー役は同組のこだま愛であった。『ミー・アンド・マイ・ガール』は子どもから大人まで楽しめるロンドン発のミュージカルで、同曲はこのミュージカルの二幕で歌われる。ヒロインのけなげな生きざまが曲調にもにじみ出た、明るい中にも寂しさを感じさせる1曲。

 宝塚ファンの女医、wojoです。少し遅くなりましたが、本年もどうかよろしくお願いいたします。

 さて、私事ですがwojoは今年、「アラフォー」の「アラ」は必要なくなり、まさに「フォーティ」の年。いろいろと正念場です。そんな折も折、知人からこんな本をいただきました。『夫が妻に何度も恋をする魔法の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

 独身彼氏ナシのwojoにはまだ早すぎる内容な気もしたのですが、どうしてなのでしょう、この本をwojoにくださったのは……。ちょっと理由がわかりませんでしたが、まあせっかくいただいたので読ませていただきました。するとこれがまた大変勉強になりました。なんとこの本には、「男性から愛される女性になるには、宝塚の娘役をお手本にしなさい」と書かれているのです。ここにも宝塚が! ざっと読むとどうやら、男性に対して、女性のほうからすべてを完璧に仕切ってはいけない、男性が工夫する余地を残しておいてあげなさい、という趣旨の本のようです。

「(宝塚における男性である)男役が言いたいこと、やりたいことを、女役が全部奪ってしまい、『愛してるわ! あなたのために全部用意したの! 見てごらんなさい! この城を!』と言ってしまうと、男役は『はあ?』となり、何もできないし、言えないし、これ以上ストーリーが続きません」(『夫が妻に何度も恋をする魔法の習慣』107ページより)だそうです。確かに! あくまで、表面的なリードは男役(男性)にお任せし、男役(男性)がリードできる環境づくりが大事、ということなのですね。ふむふむ……。

 加えてwojoが思うに、宝塚の娘役にはもう一つ、我々が見習うべき重要な点があります。それは、「けなげ」であること。宝塚の娘役はたいてい一生懸命でまっすぐで、場合によっては命がけの恋もします。そんなけなげな娘役の代表格として挙げられるのが、ミュージカル『ミー・アンド・マイ・ガール』のヒロインであるサリー・スミスでありましょう。通称サリー。このサリーのすごいところは、恋人が幸せになるために、自分が身を引く、という行動に出ようとするところです。信じられますか?? 自分は幸せにならなくてもいいんですよ! サリー、良い子すぎる……。

『ミー・アンド・マイ・ガール』は1937年にロンドンで初演された、ロンドンを舞台としたミュージカルです。その後はしばしばロンドンやニューヨークで上演されていたようですが、1980年代に入るとなぜか数年おきに宝塚歌劇団で上演されるようになり、さらに東宝ミュージカルでも2003年からは数年おきに上演されているという、どういうわけだか日本において愛され続けている作品です。

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