『クズの本懐』第8話 ビッチは法で裁けない!? 大人の女の「好きよ」が、もう怖いです……

『クズの本懐』第8話 ビッチは法で裁けない!? 大人の女の「好きよ」が、もう怖いです……の画像1『クズの本懐』公式HPより

 高2男子の麦(CV:島崎信長)と新卒教師の茜先生(CV:豊崎愛生)がヤッちゃったわけで、これはだいぶ淫行条例にひっかかりそうな感じですが、どうなんですかね。もちろん真摯な恋愛関係であれば犯罪にはならないけれど、茜先生はそもそも真摯な恋愛なんかできないヤリマンビッチなので、要件は満たしそうな気もします。でも、その直前に麦は「好き」と告白して、茜先生も「好きよ」と応じてからホテルに行っているので、客観的に会話だけ追えば恋愛関係が成立した上での情事にも見える。うーん、ビッチは法や条例では裁けないということでしょうか。

 というわけで、今期ノイタミナ枠『クズの本懐』第8話は、そんなこんなで麦と茜先生がホテルでエッチする回でした。とはいえ、エロは少な目で、その分ここまで停滞してきたストーリーが一転びすることになります。

 主人公・花火(CV:安済知佳)は幼なじみの“お兄ちゃん”こと鐘井先生のことが好きで、麦は茜先生のことがずっと好きだった。これは、初回の冒頭からすでに明らかにされていた情報でした。

 で、今回、ようやく2人は自分の好きな人に告白することにします。ここまで7話かけて、「好きな人に告白する決心に至るまで」のプロセスを描いてきたわけです。プロットでいえば1行目に7話を使って、8話目でようやく2行目にたどり着いたという感じです。

 その間、2人はお互いを“好きな人の代わり”としてペロペロしたり抱きしめてもらったり、麦は初体験の相手だった女パイセンを抱いたり、花火もそこらへんのヤリチンを誘惑してみたり自分のことを好きなレズ親友に肉体的に慰めてもらったり、いろいろ回り道をしてきました。で、回り道をしている間に自分たちも傷ついたり、何人かの大切な人間を傷つけたりもしてきました。

 そうして告白を決心したきっかけは、結局「ノリと勢い」。ですが、麦も花火もお互いにお互いを“代わり”として見られなくなってきていたことも、その要因だったようです。いつの間にか“代わり”以上の大切な存在になっていた2人は、告白(≒失恋)が終わったら会おうと待ち合わせをします。そのとき、麦はすでに「花火をひとりにしない」ことも心に決めていたのでした。

 そうして、告白に向かう2人。

 花火は、見事に玉砕しました。真剣に告白して、“お兄ちゃん”はそれを真剣に聞いてくれて、真剣に受け止めてくれました。お兄ちゃんを好きだった理由が、涙と一緒にどんどんあふれてきて、大切に思われていることも痛いほど実感して、お兄ちゃんの胸の中で「あーん、あーん」と子どものように号泣しました。実に潔く、シンプルな失恋です。言い換えれば、すごく普通にフラれました。

 そのことが、なんだかおもしろかったんですね。今まで花火が積み重ねてきた、いびつで陰湿で回りくどくて意味不明瞭なモノローグはほとんど理解できないし腑に落ちなかったけれど、この声を上げて泣いちゃう感じは知ってるわ、と思ったんです。告白を決心するまでは実にややこしい花火でしたが、お兄ちゃんを好きになった理由はストレートなものだし、空中浮遊女子高生がようやく隣に降りてきた感じ。急に身近な存在に感じられました。

 一方、告白にいたっても、ややこしいままだったのが麦の方です。こちらはシンプルに失恋させてもらえません。

 もともと茜先生のビッチでどうしようもないところが好きだった麦ですが(こっからもうよくわからん)、いざ告白してみると、茜先生も「あたしは麦ちゃんのこと、好きよ」と言い出します。当然、本気じゃありませんし、麦だって信じちゃいないし、むしろ茜先生が「絶対に手に入らない人」だったから好きだったということ(それもよくわからん)も、再確認したのです。

 でも麦は、茜先生に誘われてホテルについて行ってしまいました。そして、淫行されてしまいました。何を思っても、何を伝えても「かわいい」と返されてしまいます。相手の格が違ったということです。余裕綽々の茜先生に「俺が、あなたを変えたい」と言ってみたりしますが、そんな決意も空しいばかりです。

 そして、もっと空しいのは花火です。麦は“フラれた者同士”の待ち合わせに姿を見せません。お兄ちゃんにフラれても「ひとりじゃないから立ち直れる」と思っていた花火でしたが、麦が来ないので、結局「ひとり」なのでした。

 そうなるともう、花火を慰めてくれそうなのはレズ親友の“えっちゃん”こと絵鳩早苗(CV:戸松遥)しかいません。しかし今回、えっちゃんの周囲にも新たなサブキャラが登場します。古い親戚の篤也(CV:浅沼晋太郎)は、えっちゃんに求愛中。えっちゃんは「男が嫌い」「男に興味ない」と篤也の思いに応じませんが、篤也は「人間としてどうなんだ」「花火のことは女だから好きなのか」的な正論で、おだやかに迫ってきます。

 次回は、そんなえっちゃんと花火が失恋旅行に行くようです。はてさて、どうなることやら。
(文/新越谷ノリヲ)

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