アーサー王はリアルに女性だった可能性も!?……ドヤれる元ネタ教えます! 一番わかりやすい『FGO』原典紹介

ウィッカーマン.jpg<Wikimedia Commonsより。18世紀、伝承を元に想像で描かれたウィッカーマン>

 次に、アニメ内でアーチャーとセイバーオルタにとどめを刺した「ウィッカーマン」です。ウィッカーマンとは、紀元前1世紀ごろのガリア地方(現在のフランス)に住むガリア人(ケルト人の一派)が行っていた「柳の枝の編み細工で巨大な人形を作り、その中に人間や家畜を詰め込み、人形もろとも燃やす人身御供の儀式」とされています。

 ウィッカーマンが世に知られたきっかけは、ガリア地方をわずか7年で征服した、後の欧州最強国家ローマ帝国の基礎を作った偉人「ガイウス・ユリウス・カエサル」の著書『ガリア戦記』内の記述です。それによれば、カエサルはウィッカーマンについて「ガリア人には神に生け贄を捧げる習慣がある。ある者たちは柳の枝の編み細工で巨大な像を作り、内部に人間を詰め込んで燃やし、人々は炎に取り巻かれて死んでいく」と触れています。

 注意点としては、これはあくまでも「戦争に勝利し支配者となったローマ側、カエサルの観測による一方的な記録」という点です。ガリア側によるウィッカーマンの記録は一切残されておらず、当人たちが何を目的として行っていた儀式なのかも不明瞭です。よってウィッカーマンの儀式はカエサルの勘違い、誇張、果ては敵側を蛮族として扱っての捏造、征服の正当化、という可能性もあります。すなわち、正しいとも間違いとも言い切れないのです。

■干将・莫邪(古代中国の物語)

ubw.jpg『Fate / Stay Night Unlimited Blade Works』 TV Series Season 2ジャケットより。士郎とアーチャーがそれぞれ手にしているのが干将・莫邪

 毎度おなじみ、アーチャーの扱っていた2本の剣は、古代中国の文献を由来とする宝具「干将・莫邪」という、2本同時に作られた夫婦剣です。1世紀の歴史書『呉越春秋(ごえつしゅんじゅう)』、4世紀の志怪小説集『捜神記(そうじんき)』によれば、亀甲状の文様が施されているのが雄剣干将、波紋状の文様が施されているのが雌剣莫邪となります。

 干将・莫邪は、中国由来の伝説の剣としては知名度の高い存在であり、日本を含めた数多くの作品に登場しています。ですがどういう訳か、先述した2つの文献を含め、原典といえるすべての作品内において剣の制作方法や登場人物、さらには物語の内容、結末にまで差異が見られるのです。

 また「剣を作る際、妻莫耶が炉中に身を投じた」というエピソードも非常に有名で、これに準じた設定は数多くの作品に登場しています。原文(於是干將妻乃斷髮剪爪、投於爐中)は確かにそのようにも読めるのですが、「妻莫耶が自身の髪の毛と爪を切り、それを炉中に投じた」と見たほうが無難でしょう。

 何故なら、この物語が成立したころ(紀元前5~2世紀)の中国では「髪の毛にはその人の命が宿っている」とされていたからです。つまり髪の毛を切って火の中に投げ込んだ、という時点で、その時代においては十二分に命を削っているのです。

Fate/Grand Order Original Soundtrack I

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今後もアニメの展開など、あるのでしょうか

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