最新の顔認識システムを搭載した“ロボコップ”が中国で巡回警備デビュー!

■社会の監視強化も容易に

“ロボコップ”登場のニュースは未来の社会を感じさせる心強い話題と言えるのかもしれないが、裏を返せばロボットを使って社会の監視の力を容易に強めることができるということにもなる。

 中国社会の人権ウォッチャーのひとりであるフランシス・イブ氏は、こうしたロボットが人権を侵害し、特定の民族や宗教信者、政治グループなどへの差別を助長するものになり得るとして昨年に「CNBC」ニュースで警告を発している。つまり、ロボットに搭載されている顔認識システムが差別を拡大する方向へと働くということだ。

「こうしたロボットの登場は、ジョージ・オーウェルのSFのような監視社会が今すぐ実現するという深刻な懸念に結びつきます」(フランシス・イブ氏)

 このAnBotの開発は、警察官や軍人の負担を軽減することが第一の目的であるということで、その背景には昨今の中国国内の民族闘争の激化があるという。特に2009年に新疆ウイグル自治区・ウルムチ市で起ったデマ情報を発端とした民族闘争は政府に多大なショックを与えるものになった。

 死者192名、負傷者1,700人以上という犠牲者を出したこの事件で、出動した警官隊の中にはその後PSTD(心的外傷後ストレス障害)を発症する者も出ており、こうしたデモなどの鎮圧にロボットを活用する道が探られていたこともAnBot開発の背景にはあったということだ。

 ロボットによる社会の監視強化、治安維持はまさにSFの世界の実現になる。昨今の人工知能の急速な進化を見れば、映画『アイ,ロボット』の世界がアッという間に現実になるのかもしれない。今後はこれらの“ロボコップ”にどこまでの業務を行なわせるかが問われることになるだろう。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Mirror
http://www.mirror.co.uk/news/weird-news/meet-real-life-robocop-can-9903214
・CNBC
http://www.cnbc.com/2016/05/05/meet-chinas-robocop-the-robot-police-officer-who-doesnt-tire–or-second-guess-commands.html

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