【ACTF2017】春アニメ『正解するカド』で3Dと2Dのキャラをどう両立? 効率アップのために管理ツール「Draw Data Manager」を開発!

 さらに話題は、撒いて戻ってきたデータの話へと展開。
 りょーちもは「3Dのキャラの芝居が2Dと連動してる場合は、どっちを優先するかというのを先に決めるんですが、このカットでは2Dのラフ原画を見て3Dに芝居をつけています。原画・動画・仕上げの流れは3Dだと一括なので、(紙の)タイムシートではなく(『CLIP STUDIO』の)タイムラインの中で決まりますし、プレスコの音声のズレもチェックできます」と、戻ってきたデータのチェックポイントを挙げた。

「2Dでの光源は背景のために1灯置けばいいんですけど、3Dとの混用になる場合は各スタッフに光源の指示を出さないといけません。3Dで1灯だけだと、みんな同じ方向にライトを当てられるんですけど、画面の手前に2人のキャラが立っている場合、その間に光源があるようになってしまうので、それぞれに光源を指定しないといけません。そういった細かいところが出てきます」(りょーちも)

【ACTF2017】春アニメ『正解するカド』で3Dと2Dのキャラをどう両立? 効率アップのために管理ツール「Draw Data Manager」を開発!の画像9写真:「Draw Data Manager」

 最後に小倉が新規に開発した「Draw Data Manager」を図示し、「サーバーの中にあるフォルダをカット袋に見立てて、各作業工程へ順に流れていく管理ツールですね。各カットがどの状態にあるのかがすぐ分かるようになっています」と、そのメリットを強調。

 親になるデータベースはVFXやCGの業界でよく使われている「SHOTGUN」で、「『Draw Data Manager』とリンクしてて反映されます。進捗について日報、週報、月報まで出せて、外部のスタッフまで『SHOTGUN』を介して作業できます」という小倉の説明に、りょーちも、渡辺もビビッドに反応。

りょーちも「これ、分までじゃなくて秒まで出てますよね。1人1日当たりどれくらい作業をやってるのかまで……」
小倉「サボってるとバレます(笑)。担当者の名前まで小さく出てるんで」
渡辺「この機能やめてほしいんですが……(苦笑)」

【ACTF2017】春アニメ『正解するカド』で3Dと2Dのキャラをどう両立? 効率アップのために管理ツール「Draw Data Manager」を開発!の画像10写真:渡辺の言い分は分からなくもない

 さらに小倉は開発中のデジタルタイムシートにも言及。「まだまだ限りなくシームレスになるところかなと思っています」。締めとして「社内のアンケート結果ですが、デジタルにしても作業速度は変わらないというのが多かったです。やはり高密度にいくらでも描き込めるので、クオリティーと時間との兼ね合いが重要かなと思います」と講演を終了した。
(取材・文/真狩祐志)

1703_kado.jpg『正解するカド』キービジュアル (C)TOEI ANIMATION,KINOSHITA GROUP,TOEI

■アニメ『正解するカド』公式サイト
http://seikaisuru-kado.com/
2017年4月より TOKYO MX・MBS・BSフジにて放送開始!
TOKYO MX:4月7日より 毎週金曜 22:30~
MBS : 4月11日より 毎週火曜 深夜3:00~
BSフジ : 4月11日より 毎週火曜 24:00~

■アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2017
http://www.janica.jp/course/digital/actf2017.html

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