元祖NTRゲー『TRUE BLUE』上下巻の悲壮感とヘタレすぎる主人公…外伝の衝撃的結末!

 ある20代女性に対するアンケートによると、「学生の頃に先生と秘密の関係になったことがあるか」という質問に、11%があると答えた。これが30代、40代となると5%以下になるようなので、世代の差は大きいようだが、かつてと比べて先生と付き合うことへの抵抗感は薄まっているようだ。

 さて、そんな先生と秘密の関係になるNTRの元祖として名高い名作エロゲーがある。LiLiM DARKNESSから2002年にリリースされた『TRUE BLUE』だ。

 2002年とかなり古い作品なので、いま見るとシステム面や演出にかなり難があるのだが、当時は陰鬱なシナリオで好評価を得た。その後シリーズ化するなどNTRゲーの元祖としての地位を築きあげた。当然エロアニメ化されていて、こちらも上巻下巻に加えて外伝まもで制作される人気シリーズとなった。

 『TRUE BLUE』は元祖NTRゲーでありながら、NTRの方向性を決定づけた作品でもあった。なので、ヒロイン、主人公などキャラクター設定に外れはない。

 メインヒロインである葵は学園のアイドルであり、世話焼きであり、少々ツンデレ巨乳であり、男性経験もない。おまけにテニス部所属だ。男性の憧れの対象そのものだ。

 一方主人公はザ・ヘタレ。ヒロインの幼なじみ(もちろんベランダ越しで移動できる隣家)であるものの、学校ではやや問題児、葵のことが好きなのに自分の気持ちすら理解できていない。葵が他人に取られることを阻止できず、イタズラされてしまうのを遠くで眺めるだけで何もできない。観ているだけでイライラする存在だ。

 葵を狙うのは体育教師の正田だが、見た目は完全に土方のおじさんで、欲望のまま行動する。常識的に考えれば教師が生徒に乱暴するわけだから大問題なのだけれど、そこはエロゲー原作。葵は主人公のことや周囲のことを考えて、自分の身に起きたことは黙り続ける。それに苦しむヒロインの姿が実に痛々しい。

 NTRものというのは常々ある種の洗脳モノだが、『TRUE BLUE』はまさに洗脳の言葉がピッタリあう作品だ。ひたすら辱めを受ける日々。それが間違っていると否定することもできず、信用している人間からの助けもない。「これは夢だ」と自分に言い聞かせる葵の精神が崩壊するのは想像にたやすい。

 作画崩壊もなく、安心して観ていられるので、る洗脳で判断を失った葵が最後に下す決断が何か、ぜひ見届けてもらいたい。

 ……とこれまでが上下巻の話だが、外伝はかなり趣が異なる作品だ。純粋なNTRものというより、凌辱色が強くなる。物語のつながり方としては外伝というよりも続編に近く、下巻から数か月後の話だ。

 ヒロインは前作までの葵から、その親友の茅に変わる。彼女は前作でのイザコザで失意の主人公によりそい、彼を支えようとする。そこに福井というキモ男から脅迫を受け、主人公への想いとは裏腹に、福井の要求を受け入れてしまう…という流れだ。

 外伝はアフターストリー要素が強いので、正田のその後などを知ることができ、物語と言う観点では面白味は増す。エッチなシーンも前2巻に引けを取らない。ただ、茅は真面目なビジュアルのメガネっ娘なので、好き嫌いは別れるかもしれない。

 だが、上下巻を楽しんだのならぜひとも外伝も観てもらいたい。かなり衝撃的なエンディングを迎える。それまでに伏線がなく、あまりにも唐突な展開を見せるのでポカーンとしてしまうかもしれないが、エロゲー的な展開ですがすがしい終わり方だ。

 上下巻と外伝合わせてたっぷり90分。アニメとしても十分に楽しめるクオリティであることはまちがいない。NTR好きな方は必見の作品だ。
(文=穴リスト猫)

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