【モノブライト出口博之の特撮自由帳(9)】

90年代、俺たちは飢えていた……!?  オワリカラ・タカハシヒョウリ×モノブライト・出口博之『ウルトラマン』まみれの特撮対談!<前編>

90年代、俺たちは飢えていた……!?  オワリカラ・タカハシヒョウリ×モノブライト・出口博之『ウルトラマン』まみれの特撮対談!<前編>の画像2『シン・ゴジラ』Blu-ray2枚組ジャケット

出口 気になっていたけど、そもそもあのブログは『ゴジラ』や特撮に特化した内容ではなかったよね?

タカハシ ああ、そうです。ただの日記で。

出口 普段思ったこと感じたことを書いている日記の中に、思ったことの一環として『シン・ゴジラ』を書いただけなんだ(笑)。

タカハシ そうですね。それにライターさんになりたいというわけでは全然なく、単純に書きたかった、Twitterの140字じゃ絶対足りないと思ったのでブログにしたというだけで。ただ、昔からブログが好きなんですよ。

 2000年代には、ちょっと変わったマンガを面白おかしく紹介するみたいな、ブログが多かった時代があったじゃないですか。あの時代を高校生ぐらいのときに経験していたので、自分的には長文を読むのも書くのも好きで。

 人に読まれている感覚もあまりないまま、自分の脳みその拡張部分がネット上のどこかに残せる、というのが楽しくてやっていただけなので、それが結構読まれているというのは、不思議な感じがしましたけどね。

出口 ああ、その感覚は分かる気がする……あとはやっぱり『シン・ゴジラ』の作品性というか。俺も観た後は、いても立ってもいられなくて、「この気持ちは何だろう、早く言語化しなきゃ」と思ったし、観た人の多くがそう思っただろうし。

タカハシ 語りたくなる映画というか、その辺がやっぱ上手いですよね、庵野秀明監督は。『エヴァンゲリオン』シリーズ(96年~)もそうですけど、ああいう閉塞的なものもコミュニケーションツールになるようにしちゃうというのは本当すごいっすよねぇ。だって、普通『シン・ゴジラ』って、本来一人で観に行くようなタイプの映画ではないじゃないですか。でも観た後に友だちとしゃべりたくなっちゃう。

出口 『シン・ゴジラ』を観て、何かをワーと言いたくなったときに、行き着くのがヒョウリくんのあのブログで。そこで全部言葉にされているから、「あー、もう! もう一回行こう!」となるという(笑)。

タカハシ ハハハ(笑)。でも一応、リピーターを誘導できるように、と考えたんですよ。その時点では、『シン・ゴジラ』はあまりお客が入っていなかったんですよ。自分が行った最速上映も売り切れませんでしたから。

出口 あ、そうなんだ。

タカハシ 直前でも結構チケットは買えたんですよ。危機感を覚えたというか、宣伝しないといけないという謎の責任感が芽生えましたね。

出口 こんな面白いものがコケたらやばい、怪獣映画がなくなっちゃうぞと(笑)。

タカハシ そう、『ゴジラ』の新作が作られなくなってしまうぞと(笑)。これは去年ヒットした劇場アニメ『この世界の片隅に』も多分同じだったと思うんです。観客が責任を感じて勝手に広めていくという。

出口 使っているツールはSNSだったりするけど、その根本というのは口コミだよね、「これ、面白かったよ」という。

タカハシ SNSもあって口コミ力も侮れない。内容が良かったら広がっていくかもしれないと思うと、夢があるというか、いいよなと思いますね。

出口 宣伝は多少劣っていても、作品の本質だけで闘えるというか、他の部分が介在しないというか。

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組

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TVを買い換えましたよ、ええ。

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