本日プロ野球開幕! プロ野球といえば“球場メシ”!! メシ情報とウンチク満載の球場食漫画『球場三食』 作者・渡辺保裕 インタビュー

■球場の細かい描写に没頭する

── 各球場の施設についても、詳細に描かれています。どうやって描いているんですか?

渡辺 自分で撮影してきた写真をベースにしてトレースしてます。いまはデジタルなので、部分的に拡大すると細かいところまで延々と描けてしまうんですよ。気分がハイになって楽しいですけど、時間がエライかかる。アナログ時代よりもかえってマンパワーと時間がかかるという(笑)。

── 今までに行った球場で、改めて良かったなと思うところはありますか?

渡辺 広島のマツダスタジアムは良かったですね。天然芝のフィールドはいいなって思うんです。あと、福岡ドームは、ホークスファンによる一体感があって印象に残りました。演出がすごいんですよね。エンタテイメント感があって。地元に住んでいたら楽しいだろうな、と思います。観客席の傾斜がわりと緩やかで、壁の圧迫感はないですよね。勝つと毎回花火が炸裂して、ドームを開くこともありますし。

── 食べ物も雰囲気を出すのがまた大変かなと思いますが、『ドカコック』からの延長線上という感じでしょうか。

渡辺 それは問題ないですが、現場で写真を撮るので、周りの人からは「なにやってんの、このひと?」となる。それがツラいですね。

■人情味あふれる個性派キャラが熱い

── 第8幕のKoboパーク宮城(『アフタヌーン』3月号)には、スタンドに入る危険な打球を知らせるために笛を吹く係について「打球判断は世界一」とありましたが、あれは実際に目撃したのですか?

1703_meshi09.jpg打球の行方にご注意ください

渡辺 実はですね。あれは西武ドームにいた人の話なんですよ。Koboパークにもイエローハットみたいな格好している笛吹き係がいるのは事実ですが、うまい下手は、以前、西武ドームで見ていたときに意識したことなんです。一度、笛を吹くのが遅くて女の子の顔面当たってしまったのを見たことがありまして。血だらけになって運ばれる姿を見て、「『もう、球場には二度と来たくない』って思ってしまうのかな……」と心配でした。でも、うまい人は本当にうまいんですよ。笛を吹くタイミングも早い。その話を持ってきました。

── そのKoboパークの回では、宮城球場がロッテの準フランチャイズだった時代を知る気難しい爺さんが絡んできたり、藤井寺球場編では、近鉄バファローズの生き字引を自認する少年を中心に商店街の人との触れ合いが描かれたり。また、ヒロインとして、ヤクルトファンのつばみちゃんが、猛烈な野球知識をもって日下に絡んできたり、球場で出会うキャラたちも強烈です。

渡辺 神宮球場で観戦していたときに、第1幕に出てくるような集団が本当にいたんですよ。野球なんてどうでもいい感じで、「この前クライアントにメシ食わせてさぁ」とか。あの中に一人だけ「私、なんでこんなところにいるんだろう」というガチな野球好きの女の子がいたらいいな、と思って……。

── 取材時は球場メシや座席だけでなく、全周囲にアンテナを張り巡らせているわけですね。

渡辺 球場行くと、とにかく何かしらのネタは拾いますね。実はそうしていると、肝心の野試合そのものを見ることからどんどん遠ざかっていくんですけどね(笑)。

球場三食(1) (アフタヌーンKC)

球場三食(1) (アフタヌーンKC)

猛烈に球場に行きたくなってきます

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